「犬を一人で留守番させるのが心配」「外出すると吠えたり、いたずらしたりしないか不安」と悩んでいませんか?
犬にとって飼い主と離れて過ごすことは、最初から当たり前にできるものではありません。特に、家に迎えたばかりの犬や、いつも飼い主と一緒に過ごしている犬は、留守番に不安を感じることがあります。
しかし、短い時間から少しずつ練習し、「一人でも大丈夫」と犬に覚えてもらうことで、留守番には徐々に慣れていきます。
この記事では、犬に留守番を慣れさせるための練習方法や、安心して過ごせる環境の作り方、やってはいけない対応について初心者向けに解説します。
犬はなぜ留守番が苦手なの?
犬が留守番を苦手とする理由は、一つではありません。
特に多いのが、飼い主と離れることへの不安や、一人で過ごすことに慣れていないことです。
犬にとって飼い主は、食事や散歩などを与えてくれる大切な存在です。そのため、急に飼い主がいなくなると「いつ帰ってくるのだろう」「一人で大丈夫かな」と不安になることがあります。
また、次のようなことも留守番が苦手になる原因になります。
- 一人で過ごした経験が少ない
- 飼い主と常に一緒にいる
- 運動不足で退屈している
- 留守番中の環境に不安がある
- 過去に長時間一人にされた経験がある
- 外出の準備をすると不安になる
犬が留守番中に吠える、物を壊す、排泄を失敗するといった行動を見せても、単純に「わがまま」と考えないことが大切です。
強い不安が原因になっているケースもあります。飼い主の外出を予測しただけで不安反応が出る場合もあり、こうした状態が強い場合は「分離不安」が関係している可能性があります。
犬を留守番に慣れさせる基本の考え方
留守番の練習で最も大切なのは、いきなり長時間一人にしないことです。
「明日から8時間留守番させて慣れてもらおう」と考えるのではなく、犬が不安を感じない短い時間から始めます。
基本的な流れは次のとおりです。
- 飼い主が家にいる状態で一人になる練習をする
- 別の部屋で短時間過ごさせる
- 飼い主が家の外に出る
- 数分程度の外出から始める
- 問題なく過ごせたら少しずつ時間を延ばす
犬が不安になる前に戻ってくることがポイントです。
「一人になっても飼い主は戻ってくる」という経験を何度も積み重ねることで、留守番への不安を減らしていきます。
犬に留守番を慣れさせる5つのステップ
ステップ1:飼い主が家にいる状態で一人になる
まずは、外出する必要はありません。
飼い主が別の部屋に移動し、犬だけで過ごす時間を作ってみましょう。
例えば、犬を安全なスペースに入れて、飼い主は別の部屋へ移動します。
最初は数十秒程度でも構いません。
犬が落ち着いていられたら、戻ってきます。
これを繰り返しながら、少しずつ時間を延ばしていきましょう。
ステップ2:飼い主が見えない時間を増やす
次は、飼い主が見えない状態に慣れてもらいます。
最初は、
「別の部屋に移動する」
↓
「少し時間を置いて戻る」
という練習を繰り返します。
犬が鳴いたり、慌てたりする場合は、練習時間が長すぎる可能性があります。
その場合は時間を短く戻し、犬が落ち着いていられる範囲から再開しましょう。
ステップ3:外出するふりをする
犬は、飼い主の行動から「これから留守番になる」と察知することがあります。
例えば、
- 鍵を持つ
- 上着を着る
- バッグを持つ
- 靴を履く
といった行動です。
これらを見るだけで犬がそわそわする場合は、外出しないのにあえてこうした行動をしてみましょう。
鍵を持っても外出しない。
靴を履いても家にいる。
バッグを持ってもテレビを見る。
このように、「この行動=飼い主がいなくなる」という結び付きを弱めることができます。
ステップ4:短時間だけ外出する
家の中で一人で過ごせるようになったら、いよいよ実際の外出です。
最初は1~2分程度でも構いません。
玄関から出て、すぐに戻ってきます。
問題なく過ごせたら、次は5分、10分と少しずつ時間を延ばします。
重要なのは、犬がパニックになるほど時間を延ばさないことです。
「10分できたから次は30分」と急に増やすのではなく、犬の様子を確認しながら進めましょう。
ステップ5:日常の留守番時間に近づける
短時間の留守番に慣れてきたら、徐々に実際の生活で必要になる時間へ近づけていきます。
ただし、練習時間を増やすスピードは犬によって異なります。
順調に進んでいたとしても、途中で不安が強くなることがあります。
その場合は、一度前の段階に戻って問題ありません。
留守番トレーニングは「早く長時間できるようにする」より、「不安を感じずに過ごせる経験を積む」ことが大切です。
留守番中に安心できる環境を作る
留守番の練習と同じくらい重要なのが、犬が安心して過ごせる環境づくりです。
安全なスペースを用意する
犬を留守番させるときは、誤食やケガにつながるものを片付けておきましょう。
特に注意したいのが、
- 電源コード
- 小さな物
- 薬
- 人間の食べ物
- ゴミ箱
- 観葉植物
- 犬が壊して飲み込めそうな物
などです。
犬が自由に動ける範囲を決め、安心して過ごせる場所を作っておくとよいでしょう。
ケージやサークルを安心できる場所にする
ケージやサークルを使用する場合は、普段から「閉じ込められる場所」ではなく、「落ち着ける場所」として慣らしておくことが大切です。
中にベッドを置いたり、犬が好きなおもちゃを用意したりするのもよいでしょう。
ただし、犬がケージに入ること自体を嫌がっている状態で、いきなり長時間閉じ込めるのは避けましょう。
まずは飼い主が家にいる状態で、ケージの中で過ごす練習から始めます。
ケージやクレートを安心できる場所として覚えてもらう「ハウストレーニング」も、留守番の準備に役立ちます。
留守番用のおもちゃを用意する
留守番中の退屈を減らすために、おもちゃを用意する方法もあります。
特に、フードやおやつを入れて遊べる知育玩具などは、犬が一人で過ごす時間を楽しくする工夫として活用できます。
ただし、留守番中に初めて使うおもちゃを与えるのは避けましょう。
壊してしまったり、誤飲したりする危険がないか、飼い主が見ている状態で安全性を確認しておくことが大切です。
留守番前に散歩や遊びを取り入れる
留守番前に適度な運動をさせることもおすすめです。
散歩や遊びで体を動かしておけば、留守番中に退屈していたずらするのを防ぐ助けになります。
例えば、
散歩
↓
水分補給
↓
トイレ
↓
落ち着ける場所で休む
↓
留守番
という流れを作っておくとよいでしょう。
ただし、「疲れさせれば長時間留守番できる」という考え方だけに頼るのはおすすめできません。
運動はあくまで留守番しやすい環境を作るための一つの工夫です。
留守番させるときにやってはいけないこと
「ごめんね」と過剰に声をかける
外出するときに、
「ごめんね」
「すぐ帰ってくるからね」
「寂しくないからね」
などと何度も声をかけると、かえって外出を特別なイベントとして認識してしまうことがあります。
外出時はできるだけ自然に出かけましょう。
帰宅後に大げさに喜ぶ
帰宅したときに犬が大喜びすると、飼い主もつい「ただいま!」と大きく反応したくなります。
しかし、留守番中とのギャップが大きくなると、飼い主がいない時間をより強く意識する犬もいます。
帰宅後はまず落ち着いて行動し、犬が興奮している場合は少し時間を置いてから構ってあげましょう。
留守番中の失敗を帰宅後に叱る
帰宅すると、
「トイレを失敗している」
「家具が壊れている」
「ゴミが散らかっている」
ということがあるかもしれません。
しかし、犬は時間が経ってから「さっきの行動が悪かった」と結び付けるのが難しいため、帰宅後に叱っても効果的とはいえません。
むしろ飼い主が帰宅すると怒られると学習し、さらに不安を感じる可能性があります。
留守番中の問題行動がある場合は、叱るのではなく、なぜその行動が起きたのかを考えることが大切です。
留守番中の様子を確認してみよう
飼い主が家にいるときは大人しくしているのに、外出すると吠えたり暴れたりする犬もいます。
そのため、可能であればペットカメラなどを使って留守番中の様子を確認してみるのもおすすめです。
確認したいのは、
- 外出直後に吠えているか
- どのくらいの時間で落ち着くか
- ずっと歩き回っているか
- 物を壊していないか
- 水を飲んでいるか
- 眠っている時間があるか
などです。
犬が実際にどのように過ごしているのかがわかれば、留守番トレーニングの方法も考えやすくなります。
犬が留守番中に吠えるときはどうする?
留守番中に吠える場合は、まず「なぜ吠えているのか」を考えましょう。
単純な退屈や物音への反応の場合もあれば、飼い主と離れることへの強い不安が原因の場合もあります。
特に、
- 外出準備を始めるだけでパニックになる
- 飼い主がいなくなると長時間吠え続ける
- 物を激しく破壊する
- 自分の体を噛んだり舐めたりする
- 留守番中だけ排泄を繰り返す
- よだれや嘔吐、下痢などが見られる
といった場合は、強い不安が関係している可能性があります。
このようなケースでは、自己流で無理に留守番時間を延ばすのではなく、動物病院などに相談することをおすすめします。
長時間の留守番には工夫が必要
仕事などの都合で、どうしても長時間の留守番が必要になる場合もあります。
その場合は、犬の年齢や健康状態、トイレの状況などを考慮する必要があります。
長時間の留守番が続く場合には、
- 家族に途中で様子を見てもらう
- ペットシッターを利用する
- 犬の保育サービスを検討する
- 家族の帰宅時間を調整する
- 昼休みなどに一度帰宅する
といった方法も検討しましょう。
「犬が慣れれば何時間でも大丈夫」と考えるのではなく、犬が無理なく過ごせる環境を作ることが重要です。
犬の留守番トレーニングは焦らないことが大切
犬に留守番を覚えてもらうには、時間がかかることがあります。
特に、これまで長時間一人で過ごした経験がない犬の場合、いきなり長時間の留守番をさせると強い不安につながる可能性があります。
まずは数十秒、数分といった短い時間から始めましょう。
そして、
一人になる
↓
飼い主は戻ってくる
↓
何も怖いことは起きない
↓
一人でも安心して過ごせる
という経験を繰り返していきます。
犬によって得意・不得意は異なるため、他の犬と比べる必要はありません。
「昨日より少し長く一人でいられた」という小さな成長を積み重ねていきましょう。
まとめ|犬が安心して留守番できるよう少しずつ練習しよう
犬に留守番を慣れさせるためには、いきなり長時間一人にするのではなく、短い時間から段階的に練習することが大切です。
ポイントをまとめると、次のとおりです。
- まずは家の中で一人になる練習から始める
- 犬が不安を感じない短い時間から練習する
- 徐々に留守番時間を延ばす
- ケージやサークルを安心できる場所にする
- 留守番前に散歩や遊びで適度に発散させる
- 安全なおもちゃや知育玩具を用意する
- 外出時や帰宅時に大げさな反応をしない
- 留守番中の失敗を帰宅後に叱らない
- 強い不安や自傷行為がある場合は専門家に相談する
留守番は、犬にとって「飼い主がいなくなる怖い時間」ではなく、「一人でも安心して過ごせる時間」にしてあげることが理想です。
焦らず、愛犬の様子を見ながら少しずつ練習していきましょう。
よくある質問
Q1. 犬の留守番はいつから練習すればいい?
犬を家に迎えて生活環境に慣れてきたら、少しずつ始めて構いません。
ただし、迎えた直後は環境が大きく変わっているため、まずは安心して過ごせる環境を作ることを優先しましょう。
最初は飼い主が家にいる状態で、別の部屋に行くなどの練習から始めると安心です。
Q2. 留守番中に犬が吠える場合はどうすればいい?
まずは、どのタイミングで吠えているのか確認しましょう。
外出直後から長時間吠え続けている場合は、強い不安が関係している可能性があります。
ペットカメラなどで様子を確認し、必要に応じて動物病院やドッグトレーナーなどに相談しましょう。
Q3. ケージに入れて留守番させても大丈夫?
ケージを安心できる場所として普段から慣らしているのであれば、留守番スペースとして利用できます。
ただし、ケージに入ることを嫌がる犬を、いきなり長時間閉じ込めるのは避けましょう。
まずは飼い主が家にいる状態で、ケージの中でリラックスして過ごす練習をしてください。
Q4. 留守番中にいたずらをするのはなぜ?
退屈や運動不足のほか、不安やストレスが原因になっている可能性があります。
留守番前に散歩や遊びの時間を作り、安全な環境を整えることも大切です。
また、どのようないたずらをしているのかを確認し、原因を考えて対策しましょう。
Q5. 留守番が苦手な犬は治せる?
多くの犬は、短時間から少しずつ練習することで一人で過ごすことに慣れていきます。
ただし、激しく吠え続ける、物を壊す、自傷するなど症状が強い場合は、単なる「留守番の苦手」とは限りません。
分離不安などが関係している可能性もあるため、無理に練習を続けず、獣医師などに相談しましょう。


コメント