「愛犬がおやつを欲しがるけれど、どのくらいなら与えていいの?」「おやつは毎日必要?」「どんなものを選べばいい?」と悩んでいませんか?
犬のおやつは、単なる食べ物ではありません。しつけのご褒美やコミュニケーションにも活用できる便利なアイテムです。一方で、与えすぎるとカロリーオーバーや栄養バランスの乱れにつながるため、量と与え方には注意が必要です。
この記事では、犬のおやつを与えるタイミングや1日の適量、選び方、注意点について、犬を飼い始めたばかりの方にもわかりやすく解説します。
犬におやつは必要?基本的には「なくても大丈夫」
まず知っておきたいのは、健康な犬であれば、毎日の食事として総合栄養食を適切な量与えている場合、おやつは栄養補給のために必須ではないということです。
総合栄養食とは、そのフードと水を適量与えることで、犬が必要とする栄養を基本的に満たせるよう設計されたフードのことです。
では、なぜおやつを与えるのでしょうか。
おやつには、次のような役割があります。
- しつけのご褒美として使う
- 飼い主とのコミュニケーションに使う
- 爪切りやブラッシングなどを頑張ったご褒美にする
- 留守番や通院など、犬が苦手なことを頑張ったときに与える
- トレーニングのモチベーションを高める
つまり、おやつは「栄養を補うための食事」というより、愛犬との生活をより良くするためのコミュニケーションツールとして考えるとよいでしょう。
特にしつけでは、犬が望ましい行動をした直後に少量のおやつを与えることで、その行動を覚えやすくする方法があります。
犬のおやつはいつ与える?
おやつを与えるタイミングに、絶対的な正解があるわけではありません。
大切なのは、「欲しがるから与える」のではなく、飼い主が目的を決めて与えることです。
1.しつけやトレーニングのご褒美として
犬のおやつを最も有効に活用しやすいのが、しつけやトレーニングです。
たとえば、
「おすわりができた」
「名前を呼んだら来た」
「トイレを正しい場所でできた」
「散歩中に飼い主を見てくれた」
など、飼い主がしてほしい行動ができたときに少量のおやつを与えます。
ポイントは、良い行動をした直後に与えることです。
何分も時間が経ってからおやつを与えると、犬が「何に対して褒められたのか」を理解しにくくなります。
2.散歩や遊びの途中に
散歩中のトレーニングや、遊びながらの練習にもおやつは活用できます。
ただし、散歩に持っていく場合は、1日の分量からあらかじめ取り分けておくと安心です。
「今日はたくさんトレーニングしたから、いつもの量に追加しておやつをあげよう」とすると、知らないうちにカロリーオーバーになってしまうことがあります。
3.ブラッシングや歯磨きのご褒美に
ブラッシングや歯磨き、爪切りなど、犬が苦手になりやすいケアの練習にもおやつが役立ちます。
最初から長時間我慢させるのではなく、
「ブラシを見せる→おやつ」
「体に少し触れる→おやつ」
「ブラッシングを少しする→おやつ」
というように、少しずつ慣らしていきましょう。
4.何となく与えるのは控える
注意したいのが、「犬が見つめてくるから」「鳴いているから」という理由だけでおやつを与えることです。
おねだりするたびにおやつをもらえる経験をすると、犬が「おねだりすればおやつがもらえる」と学習する可能性があります。
おやつを与える時間や条件を家族で決めておくと、与えすぎの防止にもなります。
犬のおやつは1日にどのくらい?目安は「必要カロリーの10%以内」
犬のおやつで最も重要なのが「量」です。
一般的には、おやつなどの間食は1日の摂取カロリーの10%以内を目安にすることが推奨されています。WSAVA(世界小動物獣医師会)やAAHA(米国動物病院協会)の推奨として紹介されている基準です。
ただし、これはあくまで目安です。
犬の年齢、体重、運動量、避妊・去勢の有無、健康状態などによって必要なカロリーは変わります。
そのため、「小型犬なら○個」「中型犬なら○本」と単純に決めるのではなく、おやつのカロリー表示を確認することが大切です。
おやつのカロリー表示を確認しよう
たとえば、1日の間食として使えるカロリーが50kcalだとします。
おやつAが1個10kcalなら、
50kcal ÷ 10kcal = 5個
が一つの目安になります。
一方、おやつBが1個25kcalなら、2個で50kcalです。
同じ「おやつ」でも、商品によってカロリーは大きく異なります。
そのため、個数だけで「多い・少ない」と判断しないようにしましょう。
おやつを与えた分、主食も調整する
おやつを毎日与える場合は、1日の総摂取カロリーを考えることも重要です。
たとえば、普段のフードに加えて毎日たくさんのおやつを与えていると、知らないうちにカロリーを取りすぎてしまうことがあります。
特に体重管理が必要な犬は注意が必要です。
「おやつは別腹」ではなく、おやつも1日の食事の一部と考えるようにしましょう。
おやつを選ぶときに確認したい5つのポイント
お店に行くと、ジャーキー、ボーロ、クッキー、ガム、チーズなど、さまざまな犬用おやつが並んでいます。
初心者の方は、次の5つを確認すると選びやすくなります。
1.年齢に合っているか
まず確認したいのが、犬の年齢です。
子犬用、成犬用、シニア犬用など、年齢に合わせて作られている商品があります。
特に子犬は消化機能が未熟なため、成犬と同じ感覚で硬いおやつを与えるのは避けたほうがよいでしょう。
2.食べやすい大きさ・硬さか
犬は人間のように食べ物をしっかり噛んでから飲み込むとは限りません。
大きなおやつや硬すぎるものは、喉に詰まらせたり、消化管を傷つけたりする可能性があります。
特に子犬や小型犬では、
- 小さく割れる
- 柔らかい
- 飲み込みやすいサイズ
といったものから選ぶと安心です。
3.カロリーを確認する
パッケージに記載されているカロリーを確認しましょう。
しつけで何度も使う場合は、1個あたりのカロリーが低いものがおすすめです。
また、大きなおやつを1回与えるよりも、小さなおやつを何回かに分けて与えたほうが、トレーニングでは使いやすくなります。
4.原材料を確認する
原材料表示も確認しましょう。
特にアレルギーや食物への反応がある犬は、何が使われているのかを把握しておくことが重要です。
初めて与えるおやつは、一度に何種類も試すのではなく、少量から様子を見ると、犬に合わないものがあった場合にも原因を把握しやすくなります。
5.用途に合わせて選ぶ
「高価なおやつ=良いおやつ」とは限りません。
用途に合わせて選ぶことが大切です。
| 用途 | 向いているおやつ |
|---|---|
| しつけ | 小粒・低カロリーで何度も与えやすいもの |
| 散歩 | 持ち運びやすく手で割れるもの |
| ブラッシング | 少量でも喜びやすいもの |
| 特別なご褒美 | 普段より嗜好性の高いもの |
| 噛むことが目的 | 年齢・体格に合った硬さのもの |
特に普段のトレーニングでは、1回に大量のおやつを与える必要はありません。
「少量でも喜んでくれるもの」を探すことがポイントです。
子犬のおやつはいつから?
子犬を飼い始めたばかりの方は、「いつからおやつをあげてもいいの?」と疑問に思うかもしれません。
一般的には、離乳直後の子犬に積極的におやつを与える必要はなく、まずは主食となるフードをしっかり食べられることが優先されます。
獣医師監修の記事では、生後3か月頃からしつけなどの目的で少量のおやつを使う考え方が紹介されています。
ただし、子犬は成長段階によって必要な栄養や食事回数が異なります。
月齢が低い場合や、体重・食欲・消化などに不安がある場合は、自己判断でおやつを増やさず、獣医師に相談しましょう。
犬に与えてはいけない食べ物にも注意
「犬用のおやつ」ではなく、人間の食べ物を愛犬に分けてあげる場合は注意が必要です。
人間にとって安全な食べ物でも、犬にとっては危険なものがあります。
代表的なものとして、
- チョコレート
- ぶどう・レーズン
- ねぎ類
- キシリトールを含む食品
- アルコール
- カフェインを含む飲み物
などがあります。
また、「少量なら大丈夫」と自己判断するのも避けましょう。
犬が誤って食べてしまった場合は、食べたものや量、時間などを確認し、必要に応じて動物病院へ相談してください。
おやつを与えすぎるとどうなる?
おやつの与えすぎで特に注意したいのが、カロリーの過剰摂取です。
体重が増えてしまうと、犬の健康管理にも影響します。
また、おやつばかり欲しがって主食のフードを食べなくなるケースにも注意が必要です。
「ご飯を食べないから、おやつをあげる」という対応を繰り返すと、さらにフードを食べなくなる可能性があります。
おやつはあくまで主食を補助するものとして考え、基本は毎日の食事をしっかり食べてもらうことを優先しましょう。
おやつを上手に使う3つのコツ
最後に、初心者の方が実践しやすいポイントを3つ紹介します。
コツ1.1日分を最初に取り分ける
袋から直接おやつを与えるのではなく、その日に使う分だけ別の容器に取り分けておきましょう。
これだけでも「今日は何個あげたっけ?」という状態を防ぎやすくなります。
コツ2.大きなおやつは小さくする
トレーニングでは、犬が満足するために必ずしも大きなおやつが必要なわけではありません。
手で小さく割れるおやつなら、1回のご褒美を小さくできます。
「おすわり→少量」
「待て→少量」
「アイコンタクト→少量」
というように、細かくご褒美を与えることもできます。
コツ3.家族でルールを決める
家族それぞれが好きなタイミングでおやつを与えていると、1日の量が把握できなくなります。
「おやつは1日○kcalまで」
「おねだりしただけでは与えない」
「トレーニングのご褒美として使う」
など、家族でルールを決めておきましょう。
犬のおやつに関するよくある質問
Q1.犬におやつは毎日あげてもいい?
健康な犬であれば、適量を守ることを前提に毎日与えること自体は問題ありません。
ただし、おやつは必須の食事ではありません。
毎日与える場合も、主食とのバランスや1日の総カロリーを考えることが大切です。
Q2.犬がおやつを欲しがるだけあげてもいい?
おすすめできません。
犬が欲しがる量と、健康を維持するために適切な量は別だからです。
欲しがるたびに与えるのではなく、あらかじめ1日の量を決めておきましょう。
Q3.しつけでおやつを何回もあげても大丈夫?
1回あたりを小さくすれば、トレーニングで複数回与えることは可能です。
重要なのは回数よりも、1日の総量です。
トレーニング用には、低カロリーで小粒のおやつを選ぶと使いやすいでしょう。
Q4.犬に人間のお菓子をあげてもいい?
基本的には避けましょう。
人間用のお菓子には、犬にとって好ましくない成分や高い糖分・脂肪分などが含まれている場合があります。
犬には犬用として作られたおやつを選ぶのが安心です。
Q5.おやつを食べない犬にはどうすればいい?
無理に食べさせる必要はありません。
犬によって好みは異なるため、フードをトレーニングのご褒美として使う方法もあります。
ただし、急に食欲がなくなった場合や、普段食べていたものまで食べなくなった場合は、体調不良が隠れている可能性もあるため注意してください。
まとめ|犬のおやつは「量」と「目的」を意識しよう
犬のおやつは、愛犬とのコミュニケーションやしつけに役立つ便利なアイテムです。
一方で、与えすぎるとカロリーオーバーにつながるため、「欲しがるだけあげる」のは避けましょう。
初心者の方は、まず次のポイントを覚えておけば十分です。
- おやつは必ずしも必要なものではない
- しつけやコミュニケーションのご褒美として活用する
- 1日の間食は必要カロリーの10%以内を一つの目安にする
- おやつのカロリー表示を確認する
- 年齢や体格に合った大きさ・硬さを選ぶ
- しつけ用なら小粒・低カロリーのものが便利
- 人間の食べ物を安易に与えない
- 家族でおやつのルールを決めておく
「おやつ=悪いもの」ではありません。
大切なのは、愛犬にとって必要な食事をきちんと確保したうえで、健康を損なわない量を守り、目的に合わせて上手に使うことです。
愛犬が喜ぶ姿を楽しみながら、毎日のしつけやコミュニケーションにおやつを取り入れてみましょう。
※犬の必要カロリーや適切なおやつ量は、年齢・体重・運動量・健康状態などによって異なります。肥満、持病、食物アレルギー、療法食などがある場合は、獣医師に相談してください。


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