「いつもは喜んでご飯を食べるのに、今日は食べない」「おやつは食べるけれど、ドッグフードを残している」。
犬の食欲が落ちると、飼い主さんは「ただの好き嫌いなのか、それとも病気なのか」と心配になりますよね。
犬がご飯を食べない原因は、単なる食事の好みや環境の変化から、口の中のトラブル、胃腸の病気などさまざまです。元気があるか、ほかに症状がないかによっても対応は変わります。
この記事では、犬が食べないときに考えられる原因、自宅で確認したいポイント、食べないときの対処法、動物病院を受診する目安について、初心者にもわかりやすく解説します。
犬がご飯を食べないときにまず確認したいこと
犬が食べないときは、まず「食欲がない」のか「食べたいけれど食べられない」のかを考えてみましょう。
たとえば、フードには興味を示すものの口に入れるとやめてしまう場合は、口の中や歯、喉などに痛みがある可能性があります。
一方で、食事を見てもまったく興味を示さず、元気もない場合は、体調不良が原因となっている可能性があります。
まずは次の項目を確認してみましょう。
- 元気はあるか
- 水は飲めているか
- おやつには反応するか
- 嘔吐や下痢はないか
- 便や尿に変化はないか
- 体重が減っていないか
- 口を痛がっていないか
- いつから食べていないか
- 最近、フードや生活環境を変えていないか
- 誤食や異物を食べた可能性はないか
動物病院を受診するときにも、食事量や飲水量、便・尿の変化などを伝えると診断の参考になります。
犬が食べないときに考えられる主な原因
犬がご飯を食べない原因は一つとは限りません。
ここでは、比較的よく考えられる原因を紹介します。
1.お腹が空いていない
単純に食事量が多すぎて、お腹が空いていない可能性があります。
特に、おやつをたくさん与えている場合は、普段の食事を食べなくなることがあります。
犬の体型が適正で、元気もあり、ほかに気になる症状がなければ、食事量やおやつの量を見直してみましょう。
「食べないから」と心配しておやつを追加すると、さらに主食を食べなくなることもあります。
2.フードに飽きた・好みが合わない
犬にも食べ物の好みがあります。
同じフードを食べ続けていた犬が、急に食べなくなることもあります。
ただし、「食べない=フードが嫌い」と決めつけるのは注意が必要です。
食欲不振は体調不良のサインとして現れることもあるため、元気や排便なども一緒に確認しましょう。
3.環境の変化やストレス
引っ越しや旅行、家族構成の変化、来客など、生活環境が変わったことで食欲が落ちることもあります。
また、雷や工事の音など、犬にとって強いストレスになる出来事があった場合も、食事を食べなくなることがあります。
最近何か変わったことがなかったか、振り返ってみましょう。
4.運動量が少ない
散歩や運動の時間が減っていると、普段よりお腹が空かず、食事量が少なくなることがあります。
特に暑い時期などは、散歩時間が短くなって運動量が減ることもあります。
ただし、運動量の低下と同時に元気までなくなっている場合は、単なる食事量の問題とは考えず、体調を確認しましょう。
5.口の中や歯に問題がある
食べ物を口にしようとするものの、途中でやめる場合は、口の中に痛みがある可能性があります。
歯周病や歯の破折、口内炎などがあると、食べること自体がつらくなる場合があります。
次のような様子がないか確認してみましょう。
- 硬いフードを嫌がる
- 食べ物を口から落とす
- 片側だけで噛む
- よだれが増えた
- 口臭が強くなった
- 口周りを触られるのを嫌がる
口の中を確認しようとして強く嫌がる場合は、無理に口を開けないようにしましょう。
6.胃腸などの消化器系の不調
胃腸の調子が悪いと、食欲が低下することがあります。
食欲不振に加えて、嘔吐や下痢、腹痛、元気の低下などが見られる場合は注意が必要です。
慢性的な嘔吐や下痢、食欲不振、体重減少などが症状として現れる病気もあります。
「少し食べないだけ」と長期間放置せず、ほかの症状がないか確認しましょう。
7.痛みや病気がある
犬は体調不良を言葉で伝えられないため、食欲の低下が病気のサインとして現れることがあります。
発熱、痛み、嘔吐、下痢、元気消失などを伴う場合は、病気が原因で食欲が落ちている可能性があるため、動物病院を受診することがすすめられています。
病気によっては、食欲不振以外の症状が目立たないケースもあります。
そのため、「元気そうだから絶対に大丈夫」とは考えず、食べない状態が続く場合は注意しましょう。
8.誤食や異物を飲み込んだ
おもちゃ、布、ビニール、骨などを誤って飲み込んだ場合にも、食欲がなくなることがあります。
特に、食べないことに加えて嘔吐や腹痛、元気の低下などがある場合は注意が必要です。
誤食した可能性がある場合は、自宅で様子を見続けず、できるだけ早く動物病院に相談しましょう。
「ご飯は食べないけれど、おやつは食べる」は大丈夫?
犬がドッグフードを食べない一方で、おやつは喜んで食べると、「食欲はあるから大丈夫」と思うかもしれません。
しかし、おやつを食べられることだけで病気ではないと判断することはできません。
まずは、おやつを与えすぎていないか確認しましょう。
おやつをたくさん食べていれば、単純に主食の時間にお腹が空いていない可能性があります。
一方で、普段と明らかに食べ方が違う、食事量が何日も減っている、体重が減っているなどの変化があれば、動物病院に相談すると安心です。
犬が食べないときに自宅でできる対処法
元気があり、ほかに気になる症状がない場合は、まず食事環境を見直してみましょう。
食事場所を落ち着かせる
人の出入りが多い場所や大きな音がする場所では、犬が落ち着いて食べられないことがあります。
できるだけ静かで安心できる場所で食事を与えましょう。
食器を確認する
食器が大きすぎる、深すぎる、滑りやすいなど、食べにくさが原因になっていることもあります。
食事中の姿勢や食べ方を観察して、食器が愛犬に合っているか確認してみましょう。
フードの状態を確認する
フードの開封から時間が経っていないか、保存状態に問題がないかも確認しましょう。
急に新しいフードへ変更した場合は、食べ慣れていないことが原因で食が進まない可能性もあります。
食事の時間を決める
いつでもフードを食べられる状態にしておくと、食欲の変化に気づきにくくなることがあります。
また、だらだら食べる習慣につながることもあります。
愛犬の生活リズムに合わせて、食事の時間をある程度決めておくと、普段との変化にも気づきやすくなります。
犬が食べないときに無理に食べさせてもいい?
食べないからといって、無理に口へ食べ物を入れるのは避けましょう。
特に吐き気や口の中の痛み、飲み込みにくさなどがある場合、無理に食べさせることで状態を悪化させる可能性があります。
まずは「なぜ食べないのか」を考えることが大切です。
食欲がない状態が続いている場合は、食べさせる方法を工夫するよりも、原因を確認するために獣医師へ相談しましょう。
犬が食べないとき、病院に行く目安は?
犬が食べないときに特に注意したいのが、食欲不振以外の症状があるかどうかです。
次のような症状がある場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
- 元気がない
- 嘔吐している
- 下痢をしている
- 発熱がある
- 明らかに痛がっている
- 水も飲まない
- 血便や血の混じった嘔吐がある
- 呼吸が苦しそう
- お腹が張っている
- ぐったりしている
- 誤食・異物摂取の可能性がある
アニコムでは、食欲不振に加えて元気消失、発熱、痛み、嘔吐、下痢などがある場合は受診をすすめています。また、目立った症状がなくても、丸1日以上食べない状態が続く場合は受診を検討する目安としています。
ただし、子犬や高齢犬、持病がある犬は、より早めに相談することが大切です。
特に子犬は食欲がない状態に嘔吐や下痢などが重なると、低血糖につながる可能性があるため、様子を見続けないほうがよいケースがあります。
すぐに動物病院へ相談したいケース
「何時間食べなかったら病院」という時間だけで判断するのはおすすめできません。
たとえば、食べないことに加えて、
嘔吐+元気がない
食欲不振+血便
食欲不振+呼吸が苦しそう
食欲不振+誤食の可能性
といった症状がある場合は、時間を待たずに動物病院へ相談しましょう。
特に異物や毒物を食べた可能性がある場合は、症状が出るまで待つのではなく、早めに動物病院へ連絡することが大切です。
動物病院へ行く前に記録しておきたいこと
犬の食欲不振で受診するときは、普段との違いをできるだけ具体的に伝えられると診察の参考になります。
次の項目をメモしておきましょう。
- 最後に食事をした時間
- いつもの食事量
- 今回食べた量
- 水を飲む量
- おやつを食べたか
- 嘔吐の回数や内容
- 便の回数や状態
- 尿の回数や状態
- 元気の有無
- 最近の体重
- フードを変更したか
- 生活環境に変化があったか
- 誤食の可能性
嘔吐している場合は、可能であれば嘔吐物の写真や動画を撮っておくのも参考になります。動物病院では、症状が出た時期や食事量、飲水量、便・尿の変化なども診断材料になります。
犬が食べないときによくある質問
Q1.犬が1食食べないだけなら様子を見ても大丈夫?
元気があり、水も飲めていて、ほかに気になる症状がない場合は、まず様子を確認してもよいでしょう。
ただし、普段は食欲旺盛なのに突然まったく食べなくなった場合や、食べない状態が続く場合は注意が必要です。
Q2.ドッグフードは食べないけれど、おやつなら食べます。病気ですか?
おやつの与えすぎやフードの好みが原因の場合もあります。
ただし、おやつを食べるからといって病気を否定することはできません。元気や便、体重なども合わせて確認しましょう。
Q3.犬が水も飲まない場合はどうすればいい?
食事だけでなく水も飲まない場合は、より注意が必要です。
特に元気がない、嘔吐・下痢がある、ぐったりしているなどの症状を伴う場合は、早めに動物病院へ相談してください。
Q4.食べないときに好きなものを与えてもいい?
一時的に食べやすいものを試したくなるかもしれませんが、何でも与えてよいわけではありません。
療法食を食べている犬の場合などは、自己判断で別の食事を与えず、獣医師に相談しましょう。療法食は病気や症状に合わせて設計されているためです。
Q5.何日食べなければ病院に行くべき?
一律に「何日まで大丈夫」と考えるのではなく、犬の年齢や健康状態、ほかの症状を合わせて判断しましょう。
特に元気がない、嘔吐・下痢がある、痛がっている、誤食の可能性があるなどの場合は、待たずに受診してください。
まとめ
犬がご飯を食べない原因には、お腹が空いていない、フードの好み、ストレス、運動量の変化など、比較的軽いものから、口の中のトラブルや胃腸の病気、誤食などさまざまな可能性があります。
大切なのは、「食べない」という事実だけでなく、元気や水分摂取、便・尿、嘔吐などの変化も一緒に確認することです。
特に次のような場合は、早めに動物病院へ相談しましょう。
- 食欲不振と元気の低下が同時にある
- 嘔吐や下痢をしている
- 痛がっている
- 水も飲まない
- 血便・血の混じった嘔吐がある
- 誤食や異物を飲み込んだ可能性がある
- 食べない状態が長く続いている
- 子犬・高齢犬・持病のある犬で食欲が落ちている
犬の食欲は、健康状態を知るための大切なサインです。
「いつもと違う」と感じたときは、食事量だけでなく愛犬全体の様子を観察し、少しでも心配な点があれば動物病院に相談しましょう。


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