愛犬の便がいつもよりゆるかったり、突然下痢をしたりすると、「何か病気なのでは?」と心配になりますよね。
犬の下痢は、食べ過ぎやフードの変更、ストレスなど比較的軽い原因でも起こります。一方で、感染症や寄生虫、誤食、消化器の病気などが原因になっている場合もあります。
大切なのは、便の状態だけで判断せず、食欲や元気、嘔吐などの症状も合わせて確認することです。特に血便や水のような下痢、元気・食欲の低下を伴う場合は、早めに動物病院へ相談しましょう。
この記事では、犬の便がゆるいときに考えられる原因、自宅でできる対処法、動物病院を受診する目安を初心者にもわかりやすく解説します。
犬の「便がゆるい」と「下痢」の違い
犬の便は、硬さによって状態を判断できます。
一般的には、形があり拾えるものの柔らかい便を「軟便」、形を保てず泥のようになった便を「泥状便」、ほとんど形がなく液体に近い便を「水様便」と呼びます。
| 便の状態 | 特徴 | 対応の目安 |
|---|---|---|
| 軟便 | 形はあるが柔らかい | 元気・食欲があれば様子を見る |
| 泥状便 | 形を保てない | 原因を確認しながら注意して観察 |
| 水様便 | ほぼ液体 | 脱水などに注意し、症状によって受診 |
| 血便 | 赤い血や黒い便が混ざる | 早めに動物病院へ相談 |
ただし、同じ軟便でも犬の年齢や持病、下痢の回数によって緊急度は変わります。
犬の便がゆるい・下痢になる主な原因
犬の下痢にはさまざまな原因があります。
1. フードを急に変えた
ドッグフードを突然別の商品に変えると、消化器が変化についていけず、便がゆるくなることがあります。
新しいフードに切り替えるときは、これまで食べていたフードに少しずつ混ぜながら、徐々に割合を増やしていくことが大切です。
2. 食べ過ぎ・脂っこいものを食べた
いつもより多く食べた場合や、脂肪分の多い食べ物を食べた場合にも下痢が起こることがあります。
人間の食べ物を与えた後に下痢をした場合は、何をどのくらい食べたのか確認しておきましょう。
3. ストレス
犬は環境の変化などによってストレスを感じることがあります。
たとえば、
- 引っ越し
- ペットホテルに預けた
- 長時間の留守番
- 家族構成の変化
- 雷や花火など大きな音
- 工事などの騒音
などがきっかけになることがあります。
4. 感染症や寄生虫
ウイルスや細菌、寄生虫などが原因で下痢をすることもあります。
特に子犬では、成犬よりも体調が急変する可能性があるため注意が必要です。
5. 誤食・中毒
おもちゃやペットシーツなどの異物を飲み込んだ場合や、犬が食べてはいけない食品を食べた場合にも下痢が起こることがあります。
チョコレートや玉ねぎなど、犬にとって中毒を起こす可能性があるものを食べた場合は、下痢だけだからと様子を見ないようにしましょう。
6. 病気が原因になっている
下痢は消化器だけでなく、膵臓や肝臓、腎臓などの病気に伴って起こることもあります。
また、下痢や嘔吐が長期間続く場合には、慢性腸症などが隠れている可能性もあります。3週間以上、下痢や嘔吐などの消化器症状が続く状態は慢性腸症の可能性があり、詳しい検査が必要になることがあります。
犬が下痢をしたときに確認したいこと
下痢をしたら、まず落ち着いて愛犬の状態を確認しましょう。
便の状態を確認する
次の項目をチェックしておくと、動物病院を受診するときにも役立ちます。
- 便の回数
- 便の硬さ
- 便の色
- 血が混ざっていないか
- 粘液が混ざっていないか
- 未消化の食べ物がないか
- 異物が混ざっていないか
- いつから症状が始まったか
便の写真をスマートフォンで撮影しておくのもおすすめです。
食欲や元気も確認する
便だけでなく、
- いつも通り食べているか
- 水を飲んでいるか
- 普段と同じように動いているか
- 嘔吐していないか
- お腹を痛がっていないか
なども確認しましょう。
「少し便がゆるいけれど、食欲も元気もある」という場合と、「下痢に加えてぐったりしている」という場合では緊急度が大きく異なります。
犬が下痢をしたときの対処法
まずは食事内容を確認する
直前にフードを変更していないか、おやつをたくさん与えていないか、人間の食べ物を食べていないかなどを確認しましょう。
原因が思い当たる場合は、同じものを与え続けないことが大切です。
水分をとれるようにする
下痢が続くと水分が失われるため、水分不足には注意が必要です。
ただし、一度に大量の水を飲ませると、さらにお腹の調子を崩したり、吐いたりすることがあります。飲める状態であれば、少量ずつ様子を見ながら与えましょう。
子犬や高齢犬、持病がある犬、嘔吐を伴っている犬などは自己判断で食事や水分を制限せず、動物病院へ相談することをおすすめします。
食事は無理に食べさせない
下痢をしているからといって、自己判断で長時間の絶食をさせるのは避けましょう。
軽い下痢で元気や食欲がある場合は、普段の食事を少量ずつ与える方法が取られることがあります。ただし、下痢の原因によって適切な食事は異なります。
下痢が繰り返す場合や症状が強い場合は、動物病院で診察を受け、必要に応じて療法食などを使用しましょう。
お尻を清潔にする
下痢が続くと、お尻の周りに便が付着して皮膚が赤くなったり、炎症を起こしたりすることがあります。
排便後は汚れをやさしく落とし、濡れたままにしないようにしましょう。皮膚が赤くなっている場合は、動物病院に相談してください。
犬の下痢で病院に行く目安
次のような症状がある場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
できるだけ早く受診したい症状
- 血便が出ている
- 黒い便が出ている
- 水のような下痢を何度もしている
- 下痢を何度も繰り返している
- 嘔吐もしている
- 食欲がない
- 水を飲まない
- 元気がなく、ぐったりしている
- 発熱がある
- 強い腹痛がありそう
- お腹が張っている
- 異物を飲み込んだ可能性がある
- 毒物や中毒性のある食品を食べた可能性がある
- 子犬や基礎疾患のある犬で下痢をしている
これらは、単なる一時的な軟便ではなく、感染症や中毒、異物、消化器疾患などが原因となっている可能性があります。
特に、下痢+嘔吐、下痢+元気・食欲低下、血便、異物・毒物の誤食がある場合は、様子を見ずに動物病院へ相談することが大切です。
血便や黒い便が出た場合は要注意
血が混ざった便を見つけると驚くと思いますが、血の色にも注目しましょう。
鮮やかな赤い血が付着している場合は、大腸や直腸、肛門周辺などからの出血が考えられます。
一方、黒っぽくタール状になった便は、胃や小腸など消化管の上部からの出血が原因となっている可能性があります。
もちろん、便の色だけで原因を判断することはできません。
血便や黒い便を見つけた場合は、写真を撮って動物病院に相談しましょう。
下痢をしたときに市販の薬を飲ませてもいい?
基本的に、自己判断で人間用の下痢止めや薬を犬に与えるのは避けてください。
下痢は原因によっては、無理に止めないほうがよい場合があります。また、人間用の薬が犬にとって安全とは限りません。
下痢止めや整腸剤を使う場合も、動物病院で相談して、犬の状態に合ったものを使用しましょう。
動物病院に行くときに持っていくとよいもの
受診する場合は、できるだけ愛犬の状態を詳しく伝えられるようにしておきましょう。
伝えたい情報
- 下痢が始まった時間
- 下痢をした回数
- 便の色や硬さ
- 血や粘液の有無
- 食欲の有無
- 元気の有無
- 嘔吐の有無
- 発熱の有無
- 最近食べたもの
- フードを変更したか
- 誤食の可能性
- 最近の環境変化
- 現在飲んでいる薬
可能であれば、新鮮な便を持参するか、便の写真を撮っておくと診断の参考になります。
犬の下痢を予防するためにできること
下痢を完全に防ぐことはできませんが、日頃から次のような点に注意することで、消化器への負担を減らせます。
フードを急に変更しない
新しいドッグフードへ変更するときは、これまでのフードと混ぜながら徐々に切り替えましょう。
食べ過ぎを防ぐ
食事やおやつは適量を守りましょう。
特に人間の食べ物を頻繁に与えることは避け、犬が食べてはいけないものを家の中に置きっぱなしにしないことも大切です。
誤食を防ぐ
犬が口にすると危険なものは、犬が届かない場所に保管しましょう。
おもちゃやペット用品も、壊れて部品が取れそうになっていないか定期的に確認してください。
普段の便を知っておく
「いつもより柔らかい」と判断するためには、普段の便を知っておくことが大切です。
毎日の排便回数や硬さ、色などを確認しておけば、ちょっとした変化にも気づきやすくなります。
犬の便がゆるいときは「便+全身状態」で判断しよう
犬の便が少しゆるくなったからといって、必ずしも病気とは限りません。
食事の変化や食べ過ぎ、ストレスなど、一時的な原因で軟便になることもあります。元気や食欲があり、下痢を繰り返していない場合は、食事や生活環境を確認しながら様子を見ることができるケースもあります。
一方で、
「水のような下痢が続く」
「血便が出た」
「吐いている」
「食べない・飲まない」
「ぐったりしている」
「誤食の可能性がある」
といった場合は、早めに動物病院へ相談してください。
特に子犬や基礎疾患のある犬は、成犬よりも慎重に判断する必要があります。
愛犬の便は、健康状態を知るための大切なサインです。普段から便の状態をチェックする習慣をつけ、いつもと違う変化があったときに早めに気づけるようにしておきましょう。
よくある質問
Q1. 犬の軟便は何日くらいなら様子を見ても大丈夫?
元気や食欲があり、他に症状がない一時的な軟便であれば、経過を観察できる場合があります。
ただし、何日も下痢が続く、繰り返す、症状が悪化する場合は動物病院に相談しましょう。慢性的に下痢や嘔吐が続く場合には、消化器の病気が隠れている可能性もあります。
Q2. 犬が下痢をしたら食事を抜いたほうがいい?
一律に食事を抜けばよいわけではありません。
犬の年齢や体調、下痢の原因によって適切な食事管理は変わります。特に子犬や持病のある犬は自己判断で絶食させず、動物病院に相談しましょう。
Q3. 下痢をしているときに散歩してもいい?
元気があり、軽い軟便程度であれば、通常通りの散歩が問題ないケースもあります。
ただし、下痢を繰り返している、元気がない、感染症が疑われるなどの場合は、散歩を控えて動物病院に相談しましょう。
Q4. 犬の下痢に人間用の薬を飲ませてもいい?
自己判断では与えないでください。
犬には使用できない薬や、犬の状態によっては使用しないほうがよい薬があります。薬を使う場合は、動物病院で相談しましょう。
Q5. 下痢をしたら便を動物病院に持っていったほうがいい?
可能であれば、排泄してから時間の経っていない便を持参すると診断の参考になります。
難しい場合は、便の状態がわかる写真を撮っておきましょう。便の回数や色、硬さなども記録しておくと、獣医師に症状を伝えやすくなります。


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