「犬が人を見るとすぐ飛びついてしまう」
「散歩中に知らない人へ飛びつくので困っている」
「嬉しそうだから止めにくいけれど、いつかケガをさせないか心配……」
このように、愛犬の「飛びつき」に悩んでいる飼い主は少なくありません。
犬が人に飛びつくのは、嬉しさや興奮、遊びたい気持ちなどが原因になっていることがあります。特に子犬は、人に近づくときに前足をかけたり、飛びついたりしやすい傾向があります。
しかし、体が大きくなると、飛びつかれた人が転倒したり、子どもや高齢者にケガをさせたりする可能性があります。
そのため、子犬のうちから「人に会ったら飛びつく」のではなく、「落ち着いていれば構ってもらえる」ことを教えることが大切です。
この記事では、犬が飛びつく原因や、初心者でもできるしつけ方、散歩中や来客時の具体的な対策について解説します。
犬が人に飛びつくのはなぜ?
犬が飛びつく主な理由は次のとおりです。
- 嬉しくて興奮している
- 飼い主や人に構ってほしい
- 遊んでもらいたい
- 挨拶をしたい
- 人の顔に近づきたい
- 飛びつくと構ってもらえると学習している
- 興奮をうまくコントロールできない
一見すると「飼い主が大好きだから飛びついている」ように見えます。
実際、飼い主に会えた嬉しさから飛びつくこともあります。
ただし、犬にとっては「嬉しい」という感情と「飛びつく」という行動がセットになっている場合があります。
ここで毎回撫でたり声をかけたりすると、
人を見る → 飛びつく → 構ってもらえる
という学習につながります。
そのため、飛びつきをやめさせるには、飛びついたときではなく、落ち着いているときに褒めることがポイントです。
犬の飛びつきを放っておくとどうなる?
「今は子犬だから」「嬉しそうだから」と飛びつきを許していると、成長してからも続いてしまうことがあります。
特に大型犬の場合、成犬になってからの飛びつきは大きな事故につながる可能性があります。
例えば、
- 子どもを押し倒す
- 高齢者を転倒させる
- 散歩中に他人の服を汚す
- 爪で相手を傷つける
- 飼い主がリードを引っ張られて転倒する
などです。
犬自身に悪気がなくても、相手にとっては危険な行動になることがあります。
「今は体が小さいから大丈夫」ではなく、将来の体格を考えて早めに練習することが大切です。
犬が飛びついたときの基本対応
犬が飛びついたときに重要なのは、飼い主が慌てないことです。
飛びつかれた瞬間に、
「ダメ!」
「こら!」
「やめなさい!」
と大声を出すと、犬が「飼い主が反応してくれた」と感じる可能性があります。
まずは、
飛びつく → 反応しない → 四本の足が床につく → 褒める
という流れを作りましょう。
「飛びつくと何も起こらない。でも、落ち着くと構ってもらえる」というルールを教えていきます。
犬の飛びつきをやめさせる5つのしつけ方
1.四本の足が床についたら褒める
最も基本的な練習です。
犬が人に近づいたとき、四本の足が床についている状態を褒めます。
例えば、
「おすわり」
↓
犬が座る
↓
「いい子!」
↓
撫でる・おやつを与える
という流れです。
重要なのは、飛びついた状態ではなく、落ち着いている状態で褒めることです。
何度も繰り返すことで、
「落ち着いていると構ってもらえる」
と学習していきます。
2.「おすわり」を活用する
飛びつきやすい犬には、「おすわり」を教えておくと便利です。
人が近づいてきたときや、帰宅したときなど、犬が興奮する前に「おすわり」と声をかけます。
犬が座ることができたら褒めましょう。
最初は人が少ない場所で練習し、できるようになったら少しずつ刺激を増やします。
ただし、興奮が強すぎる状態では「おすわり」と言ってもできないことがあります。
その場合は、まず犬が落ち着ける距離まで離れましょう。
3.飛びついたら体を横に向ける
犬が飛びついてきたら、手で押し返すのではなく、体を横に向けて反応を減らす方法があります。
犬が四本の足を床につけたら、すぐに褒めます。
ここで大切なのは、
飛びついている間は構わない
→ 落ち着いたら構う
という一貫した対応です。
家族全員が同じルールで対応すると、犬も理解しやすくなります。
4.帰宅時に興奮させない
飼い主が帰宅すると、嬉しさから飛びつく犬は多いものです。
帰宅した瞬間に大きな声で、
「ただいま!」
「○○ちゃん!」
と犬を興奮させると、飛びつきが強くなることがあります。
帰宅したら、まず落ち着いて行動しましょう。
犬が落ち着いて四本の足を床につけたところで声をかけたり、撫でたりします。
「帰宅=大興奮」ではなく、「帰宅=落ち着けば構ってもらえる」という経験を積ませます。
5.家族や友人にも協力してもらう
飼い主がしっかり練習していても、来客が飛びつきを許してしまうと、犬は「飛びつけば構ってもらえる」と学習してしまいます。
そのため、家族や友人にも対応方法を伝えておきましょう。
例えば、
「飛びついたら触らないでください」
「四本の足が床についたら撫でてください」
とお願いしておくと、しつけが一貫します。
散歩中の飛びつき対策
散歩中に犬が人へ飛びつく場合は、家の中とは少し違った対策が必要です。
人に近づく前に犬へ注目させる
前から人が歩いてきたら、犬が飛びつく前に飼い主へ意識を向けさせます。
名前を呼ぶ、アイコンタクトを取る、おやつを使うなど、愛犬に合った方法を試してみましょう。
そして、落ち着いて通り過ぎることができたら褒めます。
「人を見つける → 飛びつく」ではなく、
「人を見つける → 飼い主を見る → 褒めてもらえる」
という行動に置き換えていきます。
無理に人へ近づけない
犬が人を見ると興奮する場合、無理に挨拶させる必要はありません。
飼い主が「犬だから人が好きだろう」と考えて近づけると、犬がさらに興奮してしまうことがあります。
必要であれば、道の端へ移動したり、方向を変えたりして、犬が落ち着ける距離を確保しましょう。
リードを強く引っ張り続けない
飛びつきそうになったとき、リードを強く引っ張って止めようとすることがあります。
しかし、常に強く引っ張るのではなく、まずは犬が興奮しにくい距離を取ることが大切です。
「飛びついてから止める」より、「飛びつく前に距離を取る」ことを意識しましょう。
来客時の飛びつきを防ぐ方法
来客があるときは、犬が興奮する前に準備しておきましょう。
来客前
- 散歩や遊びで適度に発散させる
- リードを付けておく
- 落ち着ける場所を用意する
- おやつを準備する
来客時
- 来客が入る
- 犬が落ち着ける距離を保つ
- 四本の足が床についていたら褒める
- 落ち着いたら少しずつ距離を近づける
- 興奮したら再び距離を取る
いきなり来客のそばへ行かせる必要はありません。
犬が落ち着いていられる距離から、少しずつ練習しましょう。
子犬の飛びつきは特に早めの対策がおすすめ
子犬は人への興味が強く、嬉しいと飛びついてしまうことがあります。
体が小さいうちは「かわいい」で済むかもしれません。
しかし、犬は成長するにつれて体重も増えます。
そのため、子犬のうちから、
人に会う → 落ち着く → 構ってもらえる
という経験を積ませておくことが大切です。
また、家族が子犬の飛びつきを許しているのに、散歩中は「飛びついたらダメ」とするなど、場面によってルールを変えると犬が混乱しやすくなります。
家族全員で対応を統一しましょう。
飛びつきをやめさせるときにやってはいけないこと
犬を叩く
飛びつきをやめさせるために、犬を叩くことは避けましょう。
恐怖を与えるだけでなく、飼い主に対する警戒心につながる可能性があります。
膝で押し返す
飛びついた犬を膝で押し返す方法もおすすめできません。
犬が「人に飛びつくと押してもらえる」と遊びのように受け取る可能性があります。
また、犬がさらに興奮してしまうこともあります。
大声で怒鳴る
「ダメ!」と大声で怒鳴ることが、犬にとっては飼い主からの注目になってしまう場合があります。
できるだけ落ち着いて対応しましょう。
飛びついたときだけおやつを与える
おやつを使ったしつけは有効ですが、与えるタイミングが重要です。
飛びついた直後におやつを与えると、
飛びつく → おやつがもらえる
と覚えてしまう可能性があります。
おやつは、四本の足が床につくなど、望ましい行動をしたタイミングで与えましょう。
犬の飛びつきがなかなか直らない場合は?
飛びつきは、一度教えればすぐに直るとは限りません。
特に、興奮しやすい犬の場合は、少しずつ練習する必要があります。
まずは刺激の少ない環境で練習し、できるようになったら、
家族 → 友人 → 静かな屋外 → 人通りの多い場所
というように、少しずつ難易度を上げていきましょう。
「今日はできなかったから失敗」と考える必要はありません。
犬が興奮しすぎてしまった場合は、難易度を下げて、成功しやすい状況からやり直しましょう。
飛びつき以外にも興奮が強い場合は専門家へ相談
飛びつきだけでなく、
- 人に吠える
- リードを強く引っ張る
- 他の犬に突進する
- 噛もうとする
- 興奮すると飼い主の声が届かない
などの行動がある場合は、早めに専門家へ相談するのも一つの方法です。
特に、人や他の犬に対して攻撃的な行動が見られる場合は、自己流で対応せず、獣医師やドッグトレーナーなどに相談しましょう。
犬の飛びつきは「やめさせる」より「代わりの行動」を教える
犬の飛びつきを改善するうえで大切なのは、単純に「飛びつくな」と教えることではありません。
犬に、
「人に会ったらどうすればいいのか」
を教えてあげることです。
例えば、
人を見つける
↓
飼い主を見る
↓
おすわりする
↓
落ち着いて待つ
↓
褒めてもらう
という行動を身につければ、飛びつく必要がなくなります。
犬にとって「飛びつかないこと」がメリットになるように、毎日の生活の中で繰り返し練習しましょう。
まとめ|犬の飛びつきは落ち着いた行動を褒めよう
犬が飛びつくのは、嬉しさや興奮、遊びたい気持ち、構ってほしい気持ちなどが原因です。
決して「飼い主の言うことを聞かない悪い犬」というわけではありません。
大切なのは、飛びつきを叱るだけではなく、飛びつかずに落ち着いていれば褒めてもらえると教えることです。
具体的には、
- 四本の足が床についたら褒める
- 「おすわり」を教える
- 飛びついている間は構わない
- 落ち着いたら声をかける
- 人が近づく前に飼い主へ注目させる
- 興奮しすぎる前に距離を取る
- 家族や来客にも対応を統一してもらう
- 叩いたり怒鳴ったりしない
といった方法が有効です。
特に子犬のうちから練習しておくと、成犬になったときのトラブルを防ぎやすくなります。
「飛びつかないで」だけではなく、「人に会ったら落ち着いて座る」という新しい行動を教えることを意識しましょう。
焦らず、愛犬が成功できる環境を作りながら、少しずつ練習していくことが大切です。
よくある質問
Q1.犬が飼い主に飛びつくのは嬉しいからですか?
嬉しさや興奮が原因の一つと考えられます。
ただし、飛びつくことで飼い主に構ってもらえると学習している場合もあります。
飛びついたときではなく、落ち着いているときに褒めるようにしましょう。
Q2.犬が飛びついたら無視すればいいですか?
基本的には、飛びついている間は構わず、四本の足が床についたら褒めるという対応が有効です。
ただし、犬が興奮していて危険な場合は、まず安全を確保してください。
Q3.散歩中に知らない人へ飛びつく場合はどうすればいいですか?
人に近づく前に飼い主へ注意を向ける練習をしましょう。
人とすれ違うときに落ち着いていられたら褒めます。
無理に人へ近づける必要はなく、興奮する場合は距離を取ることも大切です。
Q4.大型犬の飛びつきはどう対策すればいいですか?
大型犬は体重があるため、飛びつきによって相手を転倒させる危険があります。
子犬のうちから「おすわり」などの代わりの行動を教え、飛びつかずに落ち着いていられたら褒める練習をしましょう。
Q5.飛びつきと一緒に噛むこともあります。どうすればいいですか?
飛びつきだけでなく、噛む、唸る、攻撃的になるなどの行動がある場合は、自己流で無理に対応しないほうが安心です。
獣医師やドッグトレーナーなどの専門家に相談し、原因に合わせた対策を考えましょう。


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