犬が家具を噛むのはなぜ?噛み癖の原因と正しい対策を解説

「愛犬が家具を噛んで困っている」「ソファやテーブルの脚がボロボロになってしまった」

犬を飼っていると、一度は家具を噛む行動に悩むことがあるでしょう。

特に子犬は、家具やカーペット、壁など身の回りにあるものを噛むことがあります。単なるいたずらに見えても、そこには歯の生え変わりや遊びたい気持ち、退屈、ストレスなど、さまざまな理由が隠れています。

家具を噛まれたからといって、強く叱るだけでは問題が解決しないこともあります。

大切なのは、犬が家具を噛む原因を考えたうえで、「噛んでほしくないものを噛めない環境」と「噛んでいいもの」を用意することです。

この記事では、犬が家具を噛む主な原因と、初心者でも実践しやすい正しい対策を解説します。

目次

犬が家具を噛むのはなぜ?

犬が家具を噛む理由は一つではありません。

代表的な原因には、次のようなものがあります。

  • 歯の生え変わりで口がムズムズする
  • 噛むこと自体が楽しい
  • 遊びたい・構ってほしい
  • 運動不足や退屈
  • ストレスや不安
  • 噛むと飼い主が反応してくれる
  • 家具に興味を持っている

特に子犬の場合、周囲にあるものを口に入れて確認することがあります。

そのため、「悪いことをして困らせようとしている」と考えるのではなく、なぜ家具を噛んでいるのかを考えることが大切です。

原因1.歯の生え変わりで口がムズムズする

子犬の場合、歯の生え変わりが家具を噛む原因になることがあります。

乳歯から永久歯へ生え変わる時期には、口の中に違和感を覚え、何かを噛みたがる犬もいます。

家具の脚や木製のおもちゃなど、硬いものを好んで噛むこともあります。

この時期は「噛むことを完全にやめさせる」のではなく、安全に噛めるおもちゃなどへ誘導することがポイントです。

原因2.噛むことが楽しい

犬にとって、噛むことは自然な行動です。

家具を噛むと、

  • 噛み応えがある
  • 音がする
  • においがする
  • 口を動かす刺激がある

など、犬にとって楽しい要素があります。

一度家具を噛んで「楽しい」と覚えると、繰り返し同じ場所を噛むことがあります。

そのため、家具を噛んでから叱るだけではなく、家具よりも魅力的な「噛んでいいもの」を用意することが重要です。

原因3.遊びたい・構ってほしい

飼い主さんが忙しくしているときに、犬が家具を噛み始めることがあります。

そのとき飼い主さんが、

「こら!」

「やめて!」

と声をかけると、犬にとっては「飼い主さんが反応してくれた」という経験になることがあります。

犬によっては、それがきっかけで家具を噛む行動が繰り返される場合があります。

家具を噛んだときだけ大きく反応するのではなく、普段から遊びやコミュニケーションの時間を確保することも大切です。

原因4.運動不足や退屈

十分に体を動かせていない犬は、エネルギーを持て余して家具を噛むことがあります。

特に、

  • 散歩が短い
  • 遊ぶ時間が少ない
  • 留守番時間が長い
  • 家の中で刺激が少ない

といった環境では、退屈しやすくなります。

ただ散歩を増やすだけでなく、室内でおもちゃを使って遊んだり、においを使った遊びを取り入れたりするのもよいでしょう。

原因5.ストレスや不安を感じている

家具を噛む行動が突然増えた場合は、ストレスや不安が関係していないか確認しましょう。

たとえば、

  • 引っ越しをした
  • 家族構成が変わった
  • 長時間の留守番が増えた
  • 生活リズムが変わった
  • 大きな音が増えた

など、犬を取り巻く環境に変化があった場合です。

特に、家具を壊すほど激しく噛む、留守番中だけ家具を噛むなどの場合は、単なる遊びではない可能性もあります。

原因6.家具を噛むと飼い主が反応してくれる

犬は、人間の反応をよく観察しています。

家具を噛む

飼い主が近づいてくる

声をかけてもらえる

という経験をすると、「家具を噛むと飼い主さんが来てくれる」と学習する可能性があります。

そのため、家具を噛んだ瞬間に大声で叱ることを繰り返すより、落ち着いて別の行動へ誘導することが重要です。

犬が家具を噛むときの正しい対策

では、実際に家具を噛まれないようにするにはどうすればよいのでしょうか。

基本となるのは次の5つです。

  1. 家具を噛めない環境を作る
  2. 噛んでいいおもちゃを用意する
  3. 噛んでいいものへ誘導する
  4. 運動や遊びの時間を確保する
  5. 噛まなかった行動を褒める

一つずつ見ていきましょう。

対策1.家具を噛めない環境を作る

最も簡単で効果的なのが、家具を噛めないようにすることです。

犬が家具を噛むたびに注意するよりも、そもそも家具に近づけない環境を作るほうが失敗を防ぎやすくなります。

たとえば、

  • ペットゲートを設置する
  • ケージやサークルを活用する
  • 犬が入れない場所を作る
  • コード類をカバーで保護する
  • 小物を床に置かない

などの対策があります。

特に子犬の場合は、飼い主さんが見ていない時間に家具を噛まないよう、行動範囲を適切に管理しましょう。

対策2.「噛んでいいおもちゃ」を用意する

犬には噛む欲求があるため、すべての「噛む」という行動を禁止する必要はありません。

むしろ、噛んでいいものと噛んではいけないものを区別できるように教えることが大切です。

犬用の噛むおもちゃを複数用意し、犬が気に入るものを探してみましょう。

ただし、おもちゃは犬の大きさや噛む力に合ったものを選ぶことが重要です。

壊れたおもちゃの破片を飲み込む可能性もあるため、遊んでいる間は状態を確認してください。

対策3.家具を噛んだら別のものへ誘導する

犬が家具を噛んでいるのを見つけたら、慌てて大声で叱るのではなく、別のおもちゃなどへ誘導します。

たとえば、

「家具を噛んでいる」

「犬用のおもちゃを見せる」

「おもちゃを噛んだら褒める」

という流れです。

これを繰り返すことで、

「家具ではなく、おもちゃを噛むといいことがある」

と覚えてもらいやすくなります。

対策4.散歩や遊びでエネルギーを発散させる

運動不足や退屈が原因の場合は、生活そのものを見直す必要があります。

散歩は犬の運動だけでなく、外のにおいや音などさまざまな刺激を受ける時間でもあります。

また、室内でも、

  • ボール遊び
  • 引っ張りっこ
  • 知育玩具
  • においを探す遊び

などを取り入れてみましょう。

犬によって必要な運動量は異なるため、年齢や犬種、体力などに合わせて調整してください。

対策5.家具を噛まなかったことを褒める

しつけでは「やめさせる」ことだけに注目しがちですが、してほしい行動をしたときに褒めることも重要です。

たとえば、犬が家具の近くにいても噛まずにおもちゃで遊んでいたら、声をかけたり褒めたりします。

「家具を噛まない」という行動を褒めることで、望ましい行動を犬に伝えやすくなります。

犬が家具を噛んだときに叱ってもいい?

家具を噛んだからといって、感情的に怒鳴ったり、叩いたりするのは避けましょう。

犬は「家具を噛んだこと」と「後から叱られたこと」を正確に結びつけられないことがあります。

また、強く叱ることで飼い主さんへの恐怖心につながる可能性もあります。

家具を噛んでいるところを見つけたら、落ち着いて犬の注意を別のものへ向け、噛んでいいおもちゃなどに誘導しましょう。

「ダメ」と伝えるだけではなく、「こちらなら噛んでいい」と教えることがポイントです。

家具に苦味スプレーを使ってもいい?

犬が家具を噛まないように、犬用の苦味スプレーなどを使う方法もあります。

ただし、製品によって成分や使用方法が異なるため、犬が舐めたり口に入れたりしても問題ないものか確認してください。

また、スプレーだけに頼るのではなく、

  • 家具に近づけない
  • 噛むおもちゃを用意する
  • 遊びや運動を増やす
  • 噛んでいいものへ誘導する

といった対策と組み合わせることをおすすめします。

家具を噛む犬にやってはいけないこと

家具を噛まれて困ったときでも、次のような対応は避けましょう。

大声で怒鳴る

犬を驚かせるだけになってしまう可能性があります。

叩く

恐怖心を与えるだけで、家具を噛む原因そのものが解決するわけではありません。

鼻を家具に押し付ける

犬にとって何を注意されているのか分かりにくく、適切なしつけとはいえません。

噛んでいるときだけ構う

犬によっては「家具を噛めば飼い主さんが来る」と学習する可能性があります。

危険なものを放置する

電源コードや小さな部品などは、家具以上に注意が必要です。

家具を噛むだけでなく物を食べてしまう場合は要注意

家具を噛む行動で特に注意したいのが、木片や布、スポンジなどを飲み込んでしまうケースです。

誤飲すると、消化管に詰まるなどのトラブルにつながる可能性があります。

家具を噛んでいるときに、

  • 木片を飲み込んだ
  • 布やスポンジを食べた
  • おもちゃの破片を飲み込んだ
  • 何を食べたのか分からない

といった場合は、自己判断で様子を見続けず、動物病院へ相談しましょう。

特に、吐く、ぐったりする、食欲がない、お腹を痛がるなどの症状がある場合は、早めの受診が必要です。

急に家具を噛むようになった場合は原因を考える

これまで家具を噛まなかった犬が、突然家具を噛むようになった場合は注意しましょう。

単純に遊びたいだけではなく、生活環境の変化やストレスなどが関係している可能性があります。

まずは、

  • 最近生活環境が変わらなかったか
  • 留守番時間が長くなっていないか
  • 散歩や遊びが不足していないか
  • 家族とのコミュニケーションが減っていないか
  • 体調に変化がないか

を確認してみましょう。

原因が分からない状態で行動だけを無理に止めようとするのではなく、背景にある理由を考えることが大切です。

まとめ|家具を噛む原因を考えて「噛んでいいもの」へ誘導しよう

犬が家具を噛むのは、単なるいたずらとは限りません。

特に子犬では、歯の生え変わりや噛むこと自体の楽しさが関係していることがあります。

一方で、運動不足や退屈、ストレスなどが原因になっているケースもあります。

家具の噛み癖を改善するためには、

  • 家具を噛めない環境を作る
  • 噛んでいいおもちゃを用意する
  • 家具からおもちゃへ誘導する
  • 散歩や遊びの時間を確保する
  • 噛まなかった行動を褒める

といった対策を組み合わせましょう。

大切なのは、「家具を噛むな」と叱るだけではなく、「何を噛めばいいのか」を犬に分かりやすく教えることです。

家具を噛む行動がなかなか改善しない場合や、物を飲み込んでしまう場合、突然行動が変化した場合は、獣医師やドッグトレーナーなどの専門家に相談することも検討してください。

焦らず、犬が正しい行動を選びやすい環境を作りながら、少しずつ習慣を変えていきましょう。

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