「普段はおとなしいのに、興奮すると噛んだり吠えたりする」
「遊んでいるうちにテンションが上がって、手に噛みついてくる」
「来客や散歩中に興奮すると、吠えて止まらなくなる」
このような愛犬の行動に困っていませんか?
犬が興奮すると噛んだり吠えたりするのには、嬉しさや遊びたい気持ち、恐怖、不安、ストレスなど、さまざまな原因があります。
そのため、「噛んだら叱る」「吠えたら怒鳴る」という対応だけでは、かえって興奮を強めてしまうことがあります。
大切なのは、犬が興奮しすぎる前に落ち着ける環境を作り、興奮したときに自分で気持ちを切り替えられるよう練習することです。
この記事では、犬が興奮すると噛む・吠える理由から、その場での落ち着かせ方、普段からできるトレーニングまで初心者向けに解説します。
犬が興奮すると噛む・吠えるのはなぜ?
犬が興奮すると噛んだり吠えたりする主な理由は、次のとおりです。
- 嬉しくて興奮している
- 遊びたい気持ちが強くなっている
- 構ってほしい
- 思い通りにならずイライラしている
- 怖い・不安を感じている
- 刺激が強すぎる
- 運動不足や退屈
- 興奮を自分で抑えるのが苦手
ここで重要なのは、「興奮=嬉しい」とは限らないことです。
例えば、飼い主が帰宅したときは嬉しくて興奮することがあります。
一方、知らない人や犬、大きな音などに対して吠える場合は、恐怖や警戒が関係している可能性があります。
同じ「吠える」「噛む」という行動でも、原因によって対策は変わります。
犬が興奮して噛む・吠える5つの原因
1.嬉しくてテンションが上がっている
飼い主が帰宅したときや、散歩に行く前などに興奮する犬は多いものです。
「嬉しい!」という気持ちをうまくコントロールできず、飛びついたり、吠えたり、手を甘噛みしたりすることがあります。
特に子犬は、感情を落ち着かせることがまだ苦手です。
この場合は、興奮しているときに構うのではなく、少し落ち着いてから声をかけるようにしましょう。
2.遊びが激しくなっている
犬と引っ張りっこやボール遊びをしていると、どんどん興奮してしまうことがあります。
興奮が高まりすぎると、おもちゃではなく飼い主の手や服に噛みつくことがあります。
遊びの途中で、
- 呼びかけに反応しなくなる
- 動きが激しくなる
- 手や服を狙う
- 吠え声が増える
などの変化が見られたら、一度遊びを中断して休ませましょう。
3.怖さや不安を感じている
犬が興奮して吠える場合、怖さや不安が原因になっていることがあります。
例えば、
- 知らない人
- 他の犬
- 雷
- 工事の音
- 掃除機
- 大きな物音
などです。
この場合、犬は「怖いから離れてほしい」という気持ちで吠えている可能性があります。
単純に「うるさい!」と叱っても、恐怖の原因がなくなるわけではありません。
まずは犬が落ち着ける距離を確保し、刺激から離れることが重要です。
4.刺激が強すぎる
犬にとって刺激が多すぎる環境では、興奮をコントロールできなくなることがあります。
例えば、
- 人が多い場所
- 犬がたくさんいる公園
- 大勢の来客
- 長時間の遊び
- 大きな音
などです。
「慣れさせれば大丈夫」と無理に刺激へ近づけるのではなく、犬が落ち着いていられる距離や時間から練習しましょう。
5.ストレスや運動不足
十分に運動できていない犬や、退屈している犬は、エネルギーを持て余して興奮しやすくなることがあります。
散歩だけでなく、
- ボール遊び
- 引っ張りっこ
- ノーズワーク
- 簡単なトレーニング
- 知育玩具
などを取り入れるのもおすすめです。
ただし、運動量は犬種・年齢・体調によって異なります。
長時間の運動をさせればよいわけではないので、愛犬の様子を見ながら調整しましょう。
犬が興奮したときに落ち着かせる方法
犬が興奮しているときは、まず飼い主が落ち着くことが大切です。
大声で叱ったり、無理に押さえつけたりすると、さらに興奮してしまうことがあります。
1.刺激から距離を取る
最も基本的な方法は、興奮の原因から離れることです。
例えば、散歩中に他の犬を見て興奮するなら、道を変えたり、距離を取ったりします。
来客で興奮するなら、別の部屋やケージなど、犬が落ち着ける場所へ移動させます。
**「興奮してから我慢させる」のではなく、「興奮しすぎる前に距離を取る」**ことがポイントです。
2.落ち着ける場所を用意する
家の中に、犬が安心して休める場所を作っておきましょう。
例えば、
- ケージ
- クレート
- 犬用ベッド
- サークル
などです。
犬がそこへ入ったら、無理に出そうとせず、ゆっくり休ませます。
「そこに入る=罰」という状態にしないことも大切です。
普段からおやつやおもちゃなどを使って、安心して過ごせる場所として覚えてもらいましょう。
3.声をかけすぎない
犬が興奮しているとき、
「ダメ!」
「やめなさい!」
「どうしたの?」
と何度も声をかけると、犬にとっては飼い主が反応してくれている状態になります。
興奮しているときほど、飼い主は落ち着いて静かに対応しましょう。
安全を確保したうえで、犬が落ち着くのを待ちます。
4.おやつを使って落ち着いた行動を褒める
犬が少し落ち着いたら、その瞬間を褒めることも重要です。
例えば、
興奮している
↓
飼い主を見る
↓
四本の足が床につく
↓
褒める・おやつを与える
という流れです。
「落ち着くと良いことがある」と覚えてもらいましょう。
興奮した犬に「おすわり」を教える方法
「おすわり」は、犬の気持ちを切り替えるための合図として役立ちます。
ただし、興奮がピークに達している状態で突然「おすわり」と言っても、犬ができないことがあります。
まずは落ち着いているときに練習しましょう。
基本の練習
- 犬の名前を呼ぶ
- 飼い主を見る
- 「おすわり」と伝える
- 座ったらすぐに褒める
- おやつなどのご褒美を与える
最初は静かな部屋で練習します。
できるようになったら、少しずつ刺激を増やしていきましょう。
例えば、
家の中
→ 家族がいる場所
→ 玄関
→ 静かな屋外
→ 他の犬や人がいる場所
というように段階的に進めます。
犬が興奮して噛むときの対処法
興奮して飼い主の手や服を噛んでくる場合は、遊びをいったん中断しましょう。
手で押し返したり、口を無理やり開けたりするのではなく、落ち着いて距離を取ります。
子犬の場合は、噛んでもよいおもちゃへ誘導する方法もあります。
例えば、
手を噛む
↓
遊びを止める
↓
落ち着く
↓
おもちゃを渡す
↓
おもちゃを噛んだら褒める
という流れです。
ただし、おもちゃを見せればいつでも噛むのをやめるとは限りません。
興奮が強くなる前に休憩を入れることも大切です。
犬が興奮して吠えるときの対処法
吠えている犬に対して、大声で「静かに!」と怒鳴るのは逆効果になることがあります。
犬には、飼い主も一緒に吠えているように聞こえる場合があるためです。
まずは、吠える原因から距離を取ります。
そして犬が少し落ち着いたところで、飼い主へ注目させます。
散歩中なら、
刺激を見つける
→ 距離を取る
→ 飼い主を見る
→ 褒める
→ 落ち着いて歩く
という流れを練習しましょう。
犬が興奮しすぎないために普段からできること
興奮したときの対処だけでなく、普段から「落ち着く練習」をしておくことも大切です。
静かに過ごしているときに褒める
犬が何もせず静かに休んでいるときは、そのままにしてしまいがちです。
しかし、こうした「落ち着いている時間」こそ褒めるチャンスです。
犬がベッドで静かにしているときなどに、優しく声をかけたり、ご褒美を与えたりしましょう。
「何もしていない=良いことが起きる」という経験を積ませます。
遊びには終わりを作る
遊びを長時間続けて犬が興奮しすぎる場合は、遊びに「終わり」を作りましょう。
例えば、
「おしまい」
という言葉を決めて、遊びを終えたらおもちゃを片付けます。
その後は水を飲ませたり、休ませたりして、気持ちを切り替えます。
毎日の生活リズムを整える
犬が十分に休める環境を作ることも重要です。
子犬は特に、遊びすぎることで興奮状態が続くことがあります。
散歩・食事・遊び・休息など、ある程度決まった生活リズムを作ると、犬も過ごしやすくなります。
犬を落ち着かせるためにやってはいけないこと
大声で怒鳴る
犬が興奮して吠えているときに飼い主まで大声を出すと、犬の興奮がさらに高まる可能性があります。
できるだけ落ち着いて対応しましょう。
無理やり押さえつける
興奮している犬を力で押さえつけて落ち着かせようとするのは避けましょう。
恐怖や不安を強めたり、飼い主への警戒につながったりする可能性があります。
叩く
叩くなどの体罰は、問題行動の根本的な解決になりません。
犬との信頼関係にも悪影響を与える可能性があるため、避けてください。
興奮している犬に何度も指示する
「おすわり!」
「待て!」
「ダメ!」
「静かに!」
と何度も繰り返しても、興奮が強い状態では犬が指示を聞けないことがあります。
まずは刺激から距離を取り、犬が落ち着いてから指示を出しましょう。
犬が興奮すると噛む・吠える場合は原因を見極めよう
同じ「噛む」「吠える」という行動でも、原因によって対策は変わります。
例えば、
| 状況 | 考えられる原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 飼い主の帰宅時 | 嬉しさ・興奮 | 落ち着いてから構う |
| 遊んでいるとき | 興奮・遊び | 途中で休憩する |
| 他の犬を見たとき | 警戒・不安 | 距離を取る |
| 来客時 | 興奮・警戒 | 別室などで落ち着かせる |
| 留守番前後 | 不安・ストレス | 留守番環境を見直す |
| 散歩中 | 刺激・興奮 | 飼い主へ注意を向ける |
「いつ」「どこで」「何をきっかけに」興奮するのかを観察すると、原因を見つけやすくなります。
急に噛む・吠えるようになった場合は注意
これまで問題がなかった犬が、急に興奮して噛んだり吠えたりするようになった場合は、注意が必要です。
環境の変化やストレスだけでなく、体調の変化が行動に影響している可能性もあります。
例えば、
- 食欲がない
- 元気がない
- 触ると嫌がる
- 歩き方がおかしい
- 嘔吐や下痢がある
- 普段より落ち着かない
などの変化がある場合は、動物病院に相談しましょう。
特に、痛みなどによって普段と違う攻撃的な反応を示すこともあるため、「しつけの問題」と決めつけないことが大切です。
噛み方・吠え方が激しい場合は専門家に相談
興奮すると噛む・吠えるという行動が強く、飼い主だけでは対応が難しい場合は、専門家へ相談しましょう。
特に、
- 本気で噛んで出血する
- 家族に対して繰り返し攻撃する
- 他の犬や人に突進する
- 興奮すると飼い主の声がまったく届かない
- 何度も問題行動を繰り返す
といった場合は、早めの相談がおすすめです。
獣医師に体調面を確認してもらったうえで、必要に応じてドッグトレーナーなどに相談するとよいでしょう。
まとめ|犬が興奮したら「叱る」より「落ち着ける環境」を作ろう
犬が興奮すると噛んだり吠えたりするのには、嬉しさや遊びたい気持ちだけでなく、恐怖や不安、ストレスなどさまざまな原因があります。
まずは「なぜ興奮しているのか」を考えることが大切です。
対策の基本は、
- 興奮の原因から距離を取る
- 落ち着ける場所を用意する
- 興奮しているときに大声で叱らない
- 落ち着いた瞬間を褒める
- 「おすわり」などの代わりの行動を教える
- 遊びの途中に休憩を入れる
- 普段から静かに過ごす練習をする
といった方法です。
特に重要なのは、犬が興奮してから無理に落ち着かせるのではなく、興奮が大きくなる前に刺激から距離を取ることです。
そして、落ち着いているときにしっかり褒めて、「静かに過ごすことも良いこと」と教えていきましょう。
焦らず、愛犬が成功できるレベルから少しずつ練習することが、興奮をコントロールする力につながります。
よくある質問
Q1.犬が興奮すると飼い主の手を噛むのはなぜですか?
遊びたい、嬉しい、興奮して気持ちをうまくコントロールできないなどの理由が考えられます。
特に子犬では、遊びが激しくなると手や服を噛むことがあります。
興奮が強くなる前に遊びを中断し、落ち着いてから安全なおもちゃへ誘導しましょう。
Q2.犬が興奮して吠えるときはどうすればいいですか?
まず、吠える原因から距離を取ってください。
他の犬や知らない人が原因なら、離れた場所へ移動し、犬が落ち着いたところで飼い主へ注意を向けます。
大声で「静かに!」と怒鳴るのは避けましょう。
Q3.興奮した犬をケージに入れてもいいですか?
犬がケージを安心できる場所として認識しているのであれば、落ち着くための場所として活用できます。
ただし、「悪いことをしたから閉じ込める」という罰として使うのは避けましょう。
普段からケージでリラックスできるようにしておくことが大切です。
Q4.犬が興奮したら「おすわり」と言えば落ち着きますか?
「おすわり」は気持ちを切り替えるきっかけとして役立ちます。
ただし、興奮がピークになると指示が届かないこともあります。
まずは落ち着いているときに練習し、少しずつ刺激のある環境でもできるようにしていきましょう。
Q5.犬が興奮すると本気で噛む場合はどうすればいいですか?
出血するほど噛む、繰り返し人を攻撃するなどの場合は、自己流で対応せず専門家へ相談しましょう。
まず獣医師に体調面の問題がないか確認してもらい、必要に応じてドッグトレーナーなどに相談することをおすすめします。


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