「犬のしつけはいつから始めればいいの?」
初めて犬を飼う方にとって、しつけを始めるタイミングは気になるポイントです。
子犬を迎えたばかりだと、「まだ小さいから早いのでは?」と思うかもしれません。一方で、しつけを始めるのが遅くなると「もう覚えてくれないのでは?」と不安になることもあるでしょう。
結論からいうと、犬のしつけは家に迎えたその日から、できる範囲で少しずつ始めて大丈夫です。
ただし、最初から「おすわり」や「待て」などをたくさん教える必要はありません。
まずはトイレや名前、生活ルールなど、犬が安全で快適に暮らすために必要なことから教えていきます。
この記事では、犬のしつけを始める時期や、初心者が最初に教えたいこと、しつけの順番、うまくいかないときの対処法までわかりやすく解説します。
犬のしつけはいつから始める?
犬のしつけは、犬を家に迎えた日から始めると考えて問題ありません。
特に子犬の場合、生後数か月はさまざまな経験を積みながら、家庭での生活ルールを覚えていく大切な時期です。
ただし、「迎えた初日から本格的なトレーニングをしなければいけない」という意味ではありません。
最初は、
- トイレの場所を教える
- 名前を覚えてもらう
- 人の手に慣れてもらう
- ケージやサークルを安心できる場所にする
- 噛んではいけないものを教える
- 生活リズムを整える
といった、日常生活に必要なことから始めましょう。
子犬のしつけは「早ければ早いほどいい」わけではない
しつけは早く始めることが大切ですが、焦りすぎる必要はありません。
犬は人間の言葉をそのまま理解しているわけではなく、「この行動をすると、こういうことが起きる」という経験を積み重ねながら学習していきます。
そのため、一度教えただけですべてを覚えるわけではありません。
同じことを何度も繰り返し、成功したときに褒めることで、少しずつ理解できるようになります。
「教える→できたら褒める→繰り返す」
この基本を意識するだけでも、しつけの考え方がわかりやすくなります。
犬のしつけで最初に教えるべきこと
初めて犬を飼う場合、何から教えればよいのかわからなくなることがあります。
基本的には、以下の順番を意識すると進めやすいでしょう。
犬のしつけの基本的な順番
- 新しい環境に慣れる
- トイレ
- 名前
- 人の手や体に触られること
- ケージ・サークルで過ごすこと
- 「おいで」
- 「おすわり」
- 「待て」
- 「離して」
- 散歩や社会化に必要なルール
もちろん、すべてを厳密にこの順番でなければいけないわけではありません。
犬の性格や年齢、生活環境によって優先順位は変わります。
1.まずは新しい環境に慣れてもらう
犬を迎えたばかりなら、まずは家を「安心できる場所」にすることから始めましょう。
新しい家に来た直後は、犬も緊張しています。
知らない匂い、音、人、家具など、初めて経験するものがたくさんあります。
この段階で無理にトレーニングをするのではなく、
- 落ち着ける場所を用意する
- 静かに過ごす
- 食事や睡眠の時間を確保する
- 必要以上に触らない
などを意識しましょう。
犬が安心できるようになってから、少しずつ生活ルールを教えていきます。
2.トイレを教える
犬を迎えたら、早い段階からトイレの場所を教えましょう。
トイレトレーニングは、飼い主が「失敗しにくい環境」を作ることがポイントです。
犬が排泄しそうなタイミングを観察して、トイレへ誘導します。
成功したら、その場ですぐに褒めてあげましょう。
トイレの成功率を上げるポイント
- トイレの場所を毎回変えない
- 起床後や食後などにトイレへ誘導する
- 排泄前の行動を観察する
- 成功したらすぐ褒める
- 失敗しても叱らない
子犬はまだ排泄を長時間我慢できないことがあります。
失敗を減らすためには、犬を観察しながら先回りしてトイレへ連れていくことが重要です。
3.自分の名前を覚えてもらう
トイレと並行して、犬に名前を覚えてもらいましょう。
犬の名前を呼び、こちらを見たら褒めるという練習から始めます。
たとえば、
「○○ちゃん!」
↓
犬がこちらを見る
↓
「いい子!」
という流れです。
最初は名前を呼んだだけで叱ったり、嫌なことをしたりしないようにしましょう。
「名前を呼ばれる=良いことが起きる」
というイメージを作ることがポイントです。
4.体を触られることに慣れてもらう
犬の健康管理やお手入れのためにも、体を触られることに慣れてもらうことは重要です。
いきなり足先や口の中を触るのではなく、犬が嫌がりにくい場所から少しずつ始めましょう。
たとえば、
- 背中を軽く撫でる
- 耳を見る
- 足先に軽く触れる
- 口元に触れる
- ブラッシングする
などです。
無理に押さえつけるのではなく、短時間で終わらせます。
これができるようになると、爪切りや歯磨き、ブラッシング、動物病院での診察などにもつながります。
5.ケージやサークルを安心できる場所にする
ケージやサークルを「閉じ込める場所」にしてしまうと、犬が嫌がるようになることがあります。
そのため、普段から安心して休める場所として使うことが大切です。
中にベッドや水、必要に応じておもちゃなどを置き、犬が落ち着ける環境を作りましょう。
犬が自分から入ったときには、静かに褒めてあげるのもおすすめです。
6.「おいで」を教える
「おいで」は、犬の安全を守るうえでも役立つ大切な合図です。
名前を呼んだあと、犬がこちらへ来たら褒める練習から始めます。
最初は犬との距離を短くし、成功しやすい状況で練習しましょう。
できるようになってきたら、少しずつ距離を伸ばします。
「おいで」と呼んだあとに嫌なことばかりすると、犬が来なくなる可能性があります。
呼んだら良いことが起きる、というイメージを作ることが重要です。
7.「おすわり」を教える
「おすわり」は、基本的な指示のひとつです。
犬の注意を飼い主に向け、おやつなどを使って自然に座る姿勢へ誘導します。
座れたらすぐに褒めます。
最初は数秒でも構いません。
長時間じっと座らせようとするのではなく、成功を積み重ねることを意識しましょう。
8.「待て」を教える
「待て」は、飛び出しや興奮を抑える練習にもつながります。
ただし、最初から長時間待たせる必要はありません。
まずは数秒から始め、犬がその場で待てたら褒めます。
徐々に時間や距離を伸ばしていきましょう。
特に食事の前だけでなく、日常生活のさまざまな場面で練習すると、落ち着いて行動する習慣につながります。
9.「離して」を教える
犬は、おもちゃや飼い主の持ち物をくわえることがあります。
そのとき無理やり引っ張ると、犬が「取られたくない」と感じて、さらに強くくわえることがあります。
そこで、「離したら良いことがある」という経験を作ります。
おもちゃを離したタイミングで褒めたり、別のおもちゃやごほうびと交換したりする方法があります。
10.散歩に必要なルールを教える
散歩が始まったら、外の環境に慣れることも重要です。
ただ歩くだけではなく、
- 車や自転車
- 他の人
- 他の犬
- 大きな音
- 鳥や猫
- 人が多い場所
など、さまざまな刺激に少しずつ慣れていきます。
ただし、ワクチン接種前の子犬の外出については感染症などのリスクがあるため、開始時期や方法について動物病院で相談しましょう。
犬のしつけで大切なのは「叱る」より「成功させる」
犬のしつけというと、「悪いことをしたら叱る」というイメージを持っている方もいるでしょう。
しかし、初心者が特に意識したいのは、犬が正しい行動をしたときに褒めることです。
たとえば、家具を噛んでしまった犬を何度も叱るよりも、
「噛んでよいおもちゃを用意する」
↓
「おもちゃを噛んだら褒める」
という環境を作るほうが、犬にとっても理解しやすくなります。
犬が間違った行動をしにくい環境を作ることも、しつけの一部です。
犬を叱るときに注意したいこと
犬が問題行動をしたとき、大声で怒鳴ったり、叩いたりするのは避けてください。
犬が「何をすれば正解なのか」を理解できないまま、飼い主への恐怖だけが強くなる可能性があります。
特に、
- 叩く
- 大声で怒鳴る
- 鼻を無理に押しつける
- 体を押さえつける
- 長時間怒り続ける
といった方法はおすすめできません。
「してほしくない行動を止める」だけでなく、「代わりに何をすればよいのか」を教えることを意識しましょう。
しつけは1回何分くらいやればいい?
長時間のトレーニングをする必要はありません。
特に子犬は集中力が長く続かないため、短時間の練習を何回かに分けるほうが取り組みやすいでしょう。
たとえば、
1回数分程度の短い練習を、1日の中で何度か行う
という方法があります。
犬が嫌がったり、集中できなくなったりしたら、その時点で終わりにします。
「もう少しできそう」というところで終わらせると、次の練習にも取り組みやすくなります。
犬のしつけがうまくいかないときの考え方
何度教えてもできないと、「うちの犬は覚えが悪いのかな」と心配になるかもしれません。
しかし、犬ができない原因はさまざまです。
犬にとって難しすぎる
いきなり難しい環境で練習していないでしょうか。
まずは静かな部屋など、犬が集中しやすい場所から始めます。
ごほうびのタイミングが遅い
犬が正しい行動をした直後に褒めることが重要です。
時間が経ってから褒めても、何を褒められたのかわかりにくくなります。
練習時間が長すぎる
犬が飽きてしまったら、一度休憩しましょう。
短く楽しく終えることがポイントです。
飼い主によってルールが違う
家族によって指示や対応が違うと、犬が混乱することがあります。
たとえば、ある家族はソファに乗ってもいいのに、別の家族は叱るという状況です。
家族全員でルールを統一しましょう。
犬のしつけは何歳からでもできる?
「子犬の時期を過ぎたら、もうしつけはできない」と考える必要はありません。
成犬になってからでも、新しい行動を学習することはできます。
ただし、すでに身についた習慣を変える場合は、時間がかかることがあります。
そのため、子犬の頃から生活に必要なルールを少しずつ教えていくことは大切です。
一方で、成犬を迎えた場合も「もう遅い」と諦めず、その犬に合った方法で取り組みましょう。
しつけで困ったら専門家に相談する
犬のしつけで悩んだときは、一人で抱え込む必要はありません。
特に、
- 人に対して強く吠える
- 他の犬に激しく反応する
- 噛みつきがある
- 留守番ができない
- 強い恐怖や不安がある
- 問題行動が長期間続いている
といった場合は、獣医師やドッグトレーナーなどの専門家に相談しましょう。
問題行動の背景には、単純なしつけ不足だけではなく、環境やストレス、体調などが関係している場合もあります。
自己流で無理に改善しようとせず、必要に応じて専門家のサポートを受けることも大切です。
初心者向け|犬のしつけ順番チェックリスト
犬を迎えたばかりなら、次の順番を目安にすると進めやすいでしょう。
- 新しい家や環境に慣れてもらう
- トイレの場所を教える
- 自分の名前を覚えてもらう
- 人に触られることに慣れてもらう
- ケージ・サークルに慣れてもらう
- 「おいで」を練習する
- 「おすわり」を練習する
- 「待て」を練習する
- 「離して」を練習する
- 散歩や外の環境に少しずつ慣れてもらう
すべてを一度に教える必要はありません。
犬の成長や性格を見ながら、一つずつ進めていきましょう。
まとめ|犬のしつけは迎えた日から少しずつ始めよう
犬のしつけは、犬を迎えたその日から始められます。
ただし、最初からたくさんのコマンドを教える必要はありません。
まずは犬が安心して暮らせる環境を作り、トイレや名前、触られることなど、生活に必要なことから少しずつ教えていきましょう。
初心者の方は、次のポイントを覚えておくと安心です。
- 犬のしつけは迎えた日から始めてよい
- 最初は生活に必要なことを優先する
- トイレや名前から少しずつ教える
- 正しい行動ができたらすぐに褒める
- 長時間のトレーニングは避ける
- 家族全員でルールを統一する
- できないときは難易度を下げる
- 叱るよりも成功しやすい環境を作る
犬のしつけは、一日で完成するものではありません。
毎日の生活の中で少しずつ経験を積み重ねることで、犬と飼い主の信頼関係も育っていきます。
焦らず愛犬のペースに合わせて、楽しく取り組んでいきましょう。
よくある質問
Q. 犬のしつけは生後何か月から始めるべきですか?
基本的な生活習慣は、犬を迎えた時点から少しずつ教えていけます。
年齢だけで開始時期を決めるのではなく、犬の体調や性格、生活環境に合わせて進めることが大切です。
Q. 子犬のしつけは1日に何回すればいいですか?
長時間まとめて行うより、短時間の練習を複数回に分けるほうが取り組みやすいでしょう。
犬が集中できなくなったら無理に続けず、休ませてください。
Q. 犬が言うことを聞かないときはどうすればいいですか?
まず、犬にとって難しすぎる要求になっていないか確認しましょう。
静かな場所で簡単な練習から始め、できたらすぐに褒めることを意識してください。
Q. しつけでおやつを使ってもいいですか?
おやつは、正しい行動を褒めるための方法のひとつです。
ただし、与えすぎには注意し、1日の食事量やカロリーとのバランスを考えましょう。
Q. 成犬からでもしつけはできますか?
成犬になってからでも新しい行動を教えることはできます。
すでに身についた習慣を変える場合は時間がかかることもありますが、年齢だけを理由に諦める必要はありません。


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