犬を迎えたばかりだと、「しつけは何から始めればいい?」「おすわりから教えるべき?」と迷ってしまいますよね。
犬のしつけは、いきなり難しい芸を教える必要はありません。まずは飼い主との信頼関係を作り、毎日の生活に必要な基本から少しずつ教えることが大切です。
特に子犬の場合は、トイレや名前、呼び戻しなど、これからの生活に関わることから優先して教えていきましょう。
この記事では、犬を初めて飼う方に向けて、最初に教えたいしつけの種類とおすすめの順番、うまくいかないときの対処法をわかりやすく解説します。
犬のしつけは「順番」が大切
犬のしつけには、絶対に決められた順番があるわけではありません。
ただし、初めて犬を飼う場合は、生活に必要なこと→安全に関わること→コミュニケーションの順で進めると取り組みやすくなります。
おすすめの順番は次のとおりです。
- 犬が安心できる環境を作る
- 名前を覚えてもらう
- トイレトレーニング
- 「おいで」を教える
- 「おすわり」「待て」を教える
- 甘噛み・噛み癖への対応
- 吠えへの対応
- 散歩の練習
- 「ハウス」「離して」などの生活に役立つコマンド
すべてを一度に覚えさせようとする必要はありません。
犬の年齢や性格、生活環境に合わせて、できることから少しずつ進めましょう。
まずは犬が安心できる環境を作る
しつけを始める前に大切なのが、犬が安心して過ごせる環境を整えることです。
迎えたばかりの犬は、知らない場所に来たことで緊張している可能性があります。
サークルやクレートなど、犬が落ち着ける場所を用意して、最初から過度に構いすぎないようにしましょう。
また、犬が触ってはいけないものや誤飲につながるものは、あらかじめ片付けておきます。
家族でルールを統一する
しつけでは、家族全員が同じルールで接することも重要です。
たとえば、
- ソファに乗ってよいのか
- 人の食べ物を与えてよいのか
- ベッドに入ってよいのか
- 噛んでもよいおもちゃは何か
などを事前に決めておきましょう。
家族によってルールが違うと、犬が混乱してしまいます。
最初に教えたいのは「名前」
犬を迎えたら、まず名前を覚えてもらうところから始めるとよいでしょう。
名前を呼んだときに飼い主を見る、という習慣ができると、その後のしつけにもつながります。
名前を呼ぶ練習方法
犬がこちらを見ているときや、落ち着いているときに名前を呼びます。
名前を呼んだあとにこちらを見たら、「いい子!」などと褒めて、ごほうびを与えます。
これを繰り返して、
名前を呼ばれる→飼い主を見る→良いことが起こる
という関係を作っていきます。
名前を呼ぶときに毎回叱るのは避けましょう。
「名前を呼ばれると怒られる」と覚えてしまうと、名前を呼んでも反応しなくなる可能性があります。
次に取り組みたい「トイレトレーニング」
室内で犬を飼う場合、トイレトレーニングは優先度の高いしつけです。
特に子犬は、成犬より排泄の間隔が短く、最初から完璧にトイレができるとは限りません。
成功しやすいタイミングを狙う
子犬の場合は、
- 寝起き
- 食事のあと
- 水を飲んだあと
- 遊んだあと
- 落ち着かず床のにおいを嗅いでいるとき
などにトイレへ誘導すると成功しやすくなります。
トイレで排泄できたら、すぐに褒めてあげましょう。
失敗しても、叱るのではなく静かに片付けます。
犬にとっては「トイレを失敗したことを怒られた」というより、「排泄すると怒られる」と受け取ってしまう可能性があるためです。
「おいで」は安全のためにも重要
「おいで」は、犬との生活で非常に役立つ合図です。
遊んでいるときに呼び戻したり、危険な場所から離したりするときにも使えます。
そのため、単なる芸ではなく、犬の安全を守るための重要なコミュニケーションとして練習しましょう。
「おいで」の教え方
まずは室内など、犬が安心して過ごせる場所で練習します。
少し離れた場所から犬の名前を呼び、そのあと「おいで」と声をかけます。
こちらへ来たら、すぐに褒めます。
最初は数歩程度の距離から始め、できるようになったら少しずつ距離を伸ばします。
「おいで」と呼んだあとに毎回嫌なことをすると、犬が来なくなることがあります。
爪切りやシャンプーなど、犬が苦手なことのためだけに「おいで」を使うのは避けましょう。
「おすわり」「待て」はその後でOK
「おすわり」や「待て」は、犬とのコミュニケーションを取りやすくする基本的な合図です。
ただし、最初から長時間待たせる必要はありません。
まずは短時間から練習し、できたら褒めます。
おすわりの基本
犬が自然に腰を下ろした瞬間に「おすわり」と声をかけて褒める方法があります。
また、ごほうびを犬の鼻先から少し上に動かすと、犬が自然に座ることがあります。
座れたらすぐに褒めましょう。
ポイントは、できた瞬間に褒めることです。
犬が何をすると褒めてもらえるのかを理解しやすくなります。
甘噛み・噛み癖には早めに対応する
子犬の甘噛みは珍しくありません。
遊びの中で手を噛んだり、服や家具を噛んだりすることがあります。
しかし、「子犬だから」と何でも許してしまうと、成長後も噛む行動が続いてしまうことがあります。
手をおもちゃにしない
子犬と遊ぶときに手を使ってじゃれさせるのは避けましょう。
人の手を噛むことが遊びになると、犬が「手を噛んでもよい」と覚えてしまう可能性があります。
噛んでよいおもちゃを用意し、そちらに誘導することが基本です。
強く噛まれた場合は、興奮している犬をさらに叱りつけるのではなく、いったん遊びを中断して落ち着かせます。
吠える場合は「なぜ吠えるのか」を考える
犬の吠えには、さまざまな理由があります。
たとえば、
- 怖い
- 警戒している
- 遊んでほしい
- 要求している
- 興奮している
- 飼い主に何かを伝えたい
などです。
そのため、「吠えたらダメ」と叱るだけでは、問題が解決しないことがあります。
まずは何がきっかけで吠えているのかを確認しましょう。
原因によって、必要な対策は変わります。
散歩の練習も少しずつ始める
散歩では、歩くことだけでなく、外の環境に慣れることも重要です。
ただし、子犬の場合はワクチン接種状況などによって外を歩き始める時期が異なるため、具体的な開始時期は獣医師に確認しましょう。
散歩を始める前には、室内で首輪やハーネス、リードに慣らしておくとスムーズです。
最初から長距離を歩かせる必要はありません。
犬が周囲の音や人、車などに少しずつ慣れられるよう、無理のない範囲で経験を増やしていきましょう。
「ハウス」も覚えておくと便利
「ハウス」は、犬がクレートやサークルなどの指定された場所に入るための合図です。
留守番や来客時、移動時など、さまざまな場面で役立ちます。
ハウスを「閉じ込められる場所」にしないことがポイントです。
クレートの中でおやつを与えたり、落ち着いて休める場所にしたりして、犬が自分から入りたくなる環境を作りましょう。
犬のしつけで大切なのは「叱る」より「褒める」
犬のしつけでは、できなかったことを叱るより、できたことを褒めて伸ばす考え方が基本です。
たとえば、
「おすわりできた」
↓
「すぐに褒める」
↓
「ごほうびをもらえる」
↓
「おすわりすると良いことが起きる」
という経験を積み重ねます。
犬が望ましい行動をした瞬間に褒めることで、「何をすればよいのか」を伝えやすくなります。
しつけは短時間で繰り返す
犬の集中力には限りがあります。
一度に長時間練習するよりも、短い時間で何度も繰り返すほうが取り組みやすいでしょう。
たとえば、
- 1回数分程度
- 1日に何度か練習
- できたところで終わる
といった方法がおすすめです。
犬が疲れたり、嫌がったりしている場合は無理に続けないようにしましょう。
「楽しい時間」として終えることも大切です。
しつけがうまくいかないときのNG行動
初心者がやってしまいやすいのが、犬が失敗したときに感情的に叱ることです。
しかし、犬は人間のように「さっきの行動が悪かったから叱られている」と正確に理解できるとは限りません。
特に、時間が経ってから叱っても、何について叱られているのか伝わりにくくなります。
やってはいけないこと
- 大声で怒鳴る
- 体罰を与える
- 失敗した場所に犬を連れていって叱る
- 家族によってルールを変える
- 一度にたくさんのことを教える
- 犬が疲れているのに練習を続ける
しつけで困った場合は、犬の行動だけを見るのではなく、「なぜその行動をしているのか」を考えてみましょう。
犬のしつけは「完璧」を目指さなくて大丈夫
犬を迎えたばかりの時期は、思ったようにしつけが進まないこともあります。
トイレを失敗したり、名前を呼んでも来なかったり、散歩でうまく歩けなかったりすることもあるでしょう。
しかし、これは珍しいことではありません。
犬にも性格や得意・不得意があります。
昨日できたことが今日はできない、ということもあります。
焦らずに、愛犬のペースに合わせて練習しましょう。
犬のしつけを始める順番まとめ
初心者の場合は、次のような流れを目安にすると進めやすくなります。
| 順番 | しつけ | 目的 |
|---|---|---|
| 1 | 安心できる環境づくり | 新しい生活に慣れてもらう |
| 2 | 名前 | 飼い主への意識を作る |
| 3 | トイレ | 家の中で快適に暮らす |
| 4 | おいで | 安全確保・呼び戻し |
| 5 | おすわり・待て | 基本的なコミュニケーション |
| 6 | 甘噛み対策 | 人や物を噛む習慣を防ぐ |
| 7 | 吠えへの対応 | 原因に合わせて対策する |
| 8 | 散歩 | 外の環境に慣れる |
| 9 | ハウスなど | 日常生活をスムーズにする |
ただし、この順番は絶対ではありません。
トイレの失敗が多ければトイレを優先し、来客時に吠えるなら吠えへの対策を重点的に行うなど、愛犬の状況に合わせて調整しましょう。
よくある質問
Q1. 犬のしつけはいつから始めればいい?
犬を迎えた日から、生活の中で少しずつ始めて構いません。
ただし、迎えた直後は環境の変化で疲れていることもあります。まずは安心して休める環境を作り、犬の様子を見ながら無理なく始めましょう。
Q2. 子犬と成犬ではしつけの方法が違いますか?
基本的な考え方は共通していますが、年齢やこれまでの経験によって進め方は変わります。
成犬でも新しい行動を学ぶことはできます。焦らず、その犬に合った方法で練習しましょう。
Q3. しつけでおやつを使ってもいい?
おやつは、犬に「この行動をすると良いことがある」と伝えるための手段として活用できます。
ただし、与えすぎると食事量や体重に影響するため、1日の食事全体とのバランスを考えましょう。
Q4. しつけがなかなかうまくいきません
犬が理解できていないのではなく、教え方が難しすぎる可能性もあります。
距離や時間を短くするなど、犬が成功しやすい条件に戻してみましょう。
Q5. 自分だけでは解決できない場合はどうすればいい?
噛みつきや激しい吠え、強い恐怖反応など、飼い主だけで対応するのが難しい場合は、獣医師や専門のドッグトレーナーなどに相談しましょう。
まとめ:犬のしつけは基本から少しずつ始めよう
犬のしつけは、最初からたくさんのことを覚えさせる必要はありません。
まずは犬が安心できる環境を作り、名前、トイレ、「おいで」など、日常生活や安全に関わる基本から始めましょう。
そして、できたときにはしっかり褒めてあげることが大切です。
「失敗したら叱る」のではなく、「できたら褒める」を積み重ねる。
この考え方を大切にしながら、愛犬のペースに合わせて練習していきましょう。
犬との信頼関係ができてくると、しつけは単なるルールを教える時間ではなく、愛犬とのコミュニケーションを深める楽しい時間になっていきます。


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