子犬と遊んでいるときに手を噛まれたり、服や家具を噛まれたりすると、「なぜ噛むの?」「このままで大丈夫?」と心配になりますよね。
子犬が噛むことには、さまざまな理由があります。歯の生え変わりによる違和感、遊び、興奮、好奇心など、成長過程では自然な行動も少なくありません。
ただし、**「子犬だから仕方ない」と何でも許してしまうのはおすすめできません。**人の手や足を噛むことが習慣になると、成長してからも困る場合があります。
この記事では、子犬が噛む主な原因から、噛まれたときの正しい対処法、やってはいけないNG対応まで、初心者の飼い主さん向けにわかりやすく解説します。
子犬が噛むのは珍しいことではありません
まず知っておきたいのは、子犬が物や人を噛むこと自体は珍しい行動ではないということです。
子犬は口を使って周囲のものを確かめます。
人間の赤ちゃんが手で物を触って確認するように、子犬にとっては「噛むこと」が身の回りのものを知る方法のひとつになっています。
また、遊びたいときや興奮しているときにも、飼い主の手や足にじゃれついて噛むことがあります。
そのため、噛んだからといって、すぐに「攻撃的な犬」と考える必要はありません。
大切なのは、なぜ噛んでいるのかを見極め、その原因に合った対応をすることです。
子犬が噛む主な原因
子犬が噛む理由には、いくつかのパターンがあります。
代表的な原因は次のとおりです。
- 歯の生え変わりによる違和感
- 遊びたい
- 興奮している
- 好奇心が強い
- かまってほしい
- 退屈している
- 嫌なことをされた
- 怖い、緊張している
- 噛むと飼い主が反応してくれる
同じ「噛む」という行動でも、原因によって対処方法は異なります。
まずは、どんな場面で噛むのかを観察してみましょう。
原因1:歯の生え変わりで口がムズムズする
子犬の時期には、乳歯から永久歯へと歯が生え変わります。
この時期は口の中に違和感があり、何かを噛みたがることがあります。
家具や床、飼い主の手など、身近なものを噛む場合もあります。
噛んでよいものを用意する
噛みたいという欲求そのものを無理に止めるのではなく、噛んでもよいおもちゃへ誘導しましょう。
犬用の噛むおもちゃなどを用意して、「人の手ではなく、おもちゃを噛む」という習慣を作っていきます。
ただし、おもちゃは犬のサイズや噛む力に合ったものを選び、壊れたものは使用を続けないようにしましょう。
原因2:遊びのつもりで噛んでいる
子犬は兄弟犬などと遊ぶ中で、噛んだり噛まれたりしながら力加減を学びます。
そのため、人間と遊んでいるときにも手や服にじゃれついて噛むことがあります。
特に、手を使って激しくじゃれさせる遊びをしていると、「人の手=噛んで遊ぶもの」と覚えてしまうことがあります。
手をおもちゃにしない
子犬と遊ぶときは、手ではなく犬用のおもちゃを使いましょう。
ロープやボールなど、飼い主と適度な距離を保って遊べるものも便利です。
手を噛んできたら、手を動かしてさらに興奮させるのではなく、遊びをいったん中断して、おもちゃへ切り替えます。
原因3:興奮しすぎている
遊んでいるうちにどんどん興奮して、突然噛みつきが強くなることもあります。
この場合、子犬は「飼い主を攻撃しよう」と考えているとは限りません。
興奮が高くなり、自分で気持ちをコントロールすることが難しくなっている可能性があります。
興奮する前に休憩する
遊びが激しくなってきたら、一度休憩しましょう。
静かな場所で落ち着かせたり、クレートやサークルなどで休める環境を作ったりするのも方法です。
「噛んできたら遊びが終わる」という経験を積むことで、興奮した状態で人を噛むことを減らしていきます。
原因4:かまってほしい
子犬が噛んだときに、飼い主が「痛い!」と声を出したり、手を動かしたりすると、それを「遊んでもらえた」と感じる犬もいます。
つまり、飼い主の反応によって噛む行動が強化されているケースです。
「噛む→飼い主が反応する」という流れが繰り返されると、かまってほしいときに噛むようになる可能性があります。
噛んだときは大きく反応しない
噛まれたときに大声で叫んだり、犬を追いかけたりすると、かえって犬が興奮する場合があります。
できるだけ落ち着いて対応し、遊びを中断しましょう。
そのうえで、落ち着いているときに声をかけたり遊んだりして、噛んでいないときに飼い主が構ってくれることを教えていきます。
原因5:退屈している
子犬は元気で好奇心旺盛です。
運動や遊び、探索する機会が少ないと、退屈し、そのエネルギーを噛む行動で発散することがあります。
家具やスリッパ、段ボールなどを次々に噛む場合は、退屈していないか生活環境を見直してみましょう。
散歩ができる年齢や健康状態であれば、適切な運動を取り入れることも大切です。
室内でも知育玩具などを使って、頭を使う遊びを取り入れる方法があります。
原因6:怖い・嫌だと感じている
すべての噛みつきが「遊び」や「甘噛み」とは限りません。
抱っこ、爪切り、ブラッシング、動物病院での診察など、犬が苦手なことをされたときに噛む場合があります。
このような場合は、「噛まないように叱る」だけでは解決しません。
犬が何を怖がっているのかを確認し、無理のない範囲で少しずつ慣らしていくことが重要です。
子犬に噛まれたときの正しい対処法
では、実際に手や足を噛まれたらどうすればよいのでしょうか。
基本的な流れは次のとおりです。
1.落ち着いて手を引く
噛まれた瞬間に大きく手を振り回すと、犬がさらに興奮することがあります。
できるだけ落ち着いて対応しましょう。
2.遊びを中断する
噛む行動が続く場合は、遊びをいったん終了します。
犬から離れたり、落ち着ける場所で休ませたりしましょう。
3.噛んでよいおもちゃへ誘導する
落ち着いたら、犬用のおもちゃを使って遊びます。
「人の手ではなく、おもちゃを噛む」という選択肢を犬に示してあげましょう。
4.噛まずにいられたら褒める
犬が手を噛まずに遊べた、落ち着いていられたなど、望ましい行動ができたら褒めます。
しつけでは、「やってはいけないこと」を伝えるだけでなく、「どうすればよいのか」を教えることが重要です。
「痛い!」と大声で叱るのはNG?
噛まれたときに「痛い!」と声が出てしまうのは自然なことです。
しかし、大声で怒鳴ったり、感情的に叱ったりすることは避けたほうがよいでしょう。
犬によっては、飼い主の大きな反応を遊びだと受け取って、さらに興奮することがあります。
また、恐怖心を強めてしまう可能性もあります。
落ち着いて遊びを中断し、噛んでよいものへ誘導することを基本にしましょう。
子犬の噛み癖でやってはいけないNG行動
噛み癖を直そうとして、逆効果になってしまう対応があります。
体罰を与える
叩く、口を押さえる、無理に押さえつけるといった体罰は避けましょう。
犬との信頼関係を損なったり、恐怖から防御的な行動につながったりする可能性があります。
手を口に入れて叱る
「噛んではいけない」と教えるために、犬の口に手を入れるような行為も危険です。
噛まれるリスクがあるだけでなく、犬が人の手を怖がる原因になる可能性があります。
家族によって対応を変える
お父さんは手を噛ませるけれど、お母さんはダメ。
このようにルールが違うと、犬は何をしてよいのか判断しにくくなります。
家族全員で「人の手は噛まない」「噛んだら遊びを中断する」など、対応を統一しましょう。
「噛んだらダメ」だけではなく「何を噛めばいいか」を教える
犬の噛み癖を直すときに重要なのが、代わりの行動を教えることです。
「手を噛まないで」と言うだけでは、犬にとって「では何をすればいいの?」となってしまいます。
そこで、
手を噛む → おもちゃへ誘導 → おもちゃを噛んだら褒める
という流れを作ります。
これを繰り返すことで、望ましい行動を覚えやすくなります。
家具やスリッパを噛む場合の対策
人だけでなく、家具やスリッパなどを噛んで困っている飼い主さんも多いでしょう。
この場合は、しつけだけでなく「噛めない環境」を作ることも重要です。
犬が噛める場所を減らす
子犬が自由に行動できる範囲を一時的に狭くするのも方法です。
電源コードや小さな物、薬品など、誤飲・事故につながるものは犬の届かない場所へ移しましょう。
また、家具などを噛み始めたら、おもちゃへ誘導します。
「噛んではいけないものを取り上げる」だけで終わらせず、「代わりにこれを噛もう」と教えることがポイントです。
噛み癖はいつまで続く?
子犬の噛み行動がいつまで続くかには個体差があります。
歯の生え変わりや成長、遊び方の学習など、複数の要因が関係するためです。
成長とともに自然に落ち着くケースもありますが、何もしなくても必ず直るとは限りません。
特に、人の手や服を噛むことが習慣になっている場合は、早い段階から適切な対応を続けることが大切です。
成犬になっても強く噛む場合は注意
子犬の甘噛みと、恐怖や攻撃性などが関係する噛みつきは分けて考える必要があります。
たとえば、
- うなりながら強く噛む
- 何度も本気で噛みつこうとする
- 触ろうとすると攻撃する
- 特定の人にだけ強く反応する
- 急に噛むようになった
- 噛んだことで出血する
といった場合は、単純な「甘噛み」と決めつけないようにしましょう。
突然噛むようになった場合には、痛みや体調不良などが隠れている可能性もあります。
気になる場合は、まず獣医師に相談し、必要に応じてドッグトレーナーなど専門家にも相談しましょう。
噛み癖を改善するために飼い主が意識したいこと
噛み癖への対応では、毎日の生活の中で次のポイントを意識しましょう。
- 人の手をおもちゃにしない
- 噛んでよいおもちゃを用意する
- 噛まれたら落ち着いて遊びを中断する
- 噛まずにいられたら褒める
- 犬が興奮しすぎる前に休ませる
- 運動や遊びの時間を確保する
- 犬が噛めない環境を作る
- 家族全員でルールを統一する
- 体罰や大声での威嚇をしない
- 強い噛みつきや急な変化は専門家に相談する
大切なのは、一度で噛み癖をなくそうとしないことです。
毎日の小さな積み重ねによって、犬に「人を噛むのではなく、おもちゃで遊ぶ」という習慣を作っていきましょう。
よくある質問
Q1.子犬が手を噛むのはなぜですか?
遊びたい、歯がムズムズする、興奮している、かまってほしいなど、さまざまな理由があります。
まずは「いつ・どんなときに噛むのか」を観察して、原因を考えてみましょう。
Q2.子犬に噛まれたら「痛い!」と叫んでもいい?
大きな声で叫ぶことが、犬をさらに興奮させてしまう場合があります。
できるだけ落ち着いて遊びを中断し、噛んでよいおもちゃなどへ誘導しましょう。
Q3.噛み癖を直すために叱ってもいい?
感情的に怒鳴ったり、体罰を与えたりするのはおすすめできません。
望ましくない行動を止めるだけでなく、代わりにしてほしい行動を教え、できたら褒めることを意識しましょう。
Q4.家具を噛む場合はどうすればいい?
犬が家具に近づけないよう環境を整えたうえで、噛んでよいおもちゃへ誘導しましょう。
家具を噛むことが続く場合は、運動不足や退屈などがないか、生活環境も見直してみてください。
Q5.本気で噛んでくる場合はどうすればいい?
強い噛みつきやうなり、恐怖反応などがある場合は、自己判断で無理に対応しないことが大切です。
特に突然噛むようになった場合は、体調や痛みが関係している可能性もあるため、獣医師などに相談しましょう。
まとめ:子犬の噛み癖は原因を見極めて対応しよう
子犬が噛むのには、遊びや好奇心、歯の生え変わり、興奮など、さまざまな理由があります。
そのため、「噛んだから叱る」のではなく、なぜ噛んでいるのかを考えることが最初の一歩です。
人の手をおもちゃにせず、噛んでよいおもちゃへ誘導する。そして、噛まずに遊べたときや落ち着いて過ごせたときには、しっかり褒めてあげましょう。
子犬のしつけは、短期間で完璧にするものではありません。
愛犬の成長に合わせて、毎日の生活の中で少しずつ「してほしい行動」を教えていくことが大切です。
もし強い噛みつきや突然の行動変化などが見られる場合は、甘噛みと決めつけず、獣医師や専門家に相談してください。


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