「犬を飼いたいけれど、何から始めればいいのかわからない」
初めて犬を迎えると、食事や散歩、トイレ、しつけ、健康管理など、覚えることがたくさんあります。
しかし、最初からすべてを完璧にできる必要はありません。大切なのは、犬が安心して暮らせる環境を作り、毎日の生活リズムを少しずつ整えていくことです。
この記事では、これから犬を飼い始める方に向けて、犬の飼い方の基本をわかりやすく解説します。
犬を飼う前に知っておきたいこと
犬は「かわいいから」という気持ちだけで飼える動物ではありません。
毎日の食事やトイレ、散歩、遊び、健康管理など、継続的なお世話が必要です。
また、犬の寿命は犬種や個体によって異なりますが、長い期間にわたって一緒に暮らすことになります。
そのため、犬を迎える前に次の点を確認しておきましょう。
- 毎日お世話をする時間を確保できるか
- 犬を飼える住環境か
- 食費や医療費などを負担できるか
- 家族全員が犬を迎えることに賛成しているか
- 留守番や旅行のときの対応を考えているか
- 病気や高齢になったときも最後まで世話ができるか
犬を飼うことは、犬の命を預かることです。
「今飼えるか」だけでなく、将来も責任を持って飼い続けられるかまで考えておくことが大切です。
犬を飼うために必要なもの
犬を迎える前に、生活に必要な用品を準備しておきましょう。
基本的な必需品
| アイテム | 用途 |
|---|---|
| ケージ・サークル | 犬が安心して過ごす場所 |
| ベッド | 休憩・睡眠 |
| トイレトレー | 排泄場所 |
| トイレシーツ | 排泄用 |
| ドッグフード | 毎日の食事 |
| 食器 | フード・水用 |
| 首輪・ハーネス | 散歩や安全管理 |
| リード | 散歩 |
| クレート | 移動・休憩 |
| おもちゃ | 遊び・ストレス発散 |
| ブラシ | 被毛のお手入れ |
| 掃除用品 | トイレなどの掃除 |
犬種や年齢、体格によって必要な用品は変わります。
特に子犬の場合は成長が早いため、首輪やハーネスなどは定期的にサイズを確認しましょう。
犬の生活スペースを作る
犬を迎えたら、まず安心して休める場所を作ります。
ケージやサークルなどを使って犬専用のスペースを用意し、そこにベッドやトイレを配置します。
犬が落ち着いて休める場所にするため、人の出入りが激しい場所や大きな音がする場所はできるだけ避けましょう。
また、犬が自由に行動できる範囲を最初から広げすぎないこともポイントです。
新しい環境に慣れてきたら、少しずつ行動範囲を広げていきます。
犬の食事の基本
犬の健康を維持するためには、毎日の食事管理が重要です。
基本的には、犬の年齢や体格、健康状態に合った総合栄養食を選びます。
子犬と成犬では食事が違う
成長期の子犬は、成犬とは必要な栄養量や食事回数が異なります。
そのため、子犬用・成犬用など、ライフステージに合ったフードを選ぶことが大切です。
また、フードを変更するときは、いきなりすべてを変更するのではなく、犬の様子を確認しながら徐々に切り替える方法があります。
人間の食べ物には注意
人間にとって安全な食べ物でも、犬には与えてはいけないものがあります。
特に、チョコレート、ネギ類、ぶどう・レーズンなどは犬にとって危険な食品として知られています。
「少しだけなら大丈夫」と自己判断せず、犬に人間の食べ物を与える場合は、事前に安全性を確認しましょう。
犬の水分補給
犬がいつでも新鮮な水を飲めるようにしておくことも大切です。
水は毎日交換し、食器も清潔に保ちましょう。
特に暑い時期は水分不足にならないよう注意します。
普段より水を飲む量が極端に増えた、逆にほとんど水を飲まなくなったなど、明らかな変化がある場合は、ほかの症状と合わせて犬の状態を観察し、必要に応じて動物病院へ相談してください。
犬のトイレのしつけ
犬を飼い始めた人が最初に悩みやすいのがトイレのしつけです。
特に子犬の場合、最初からトイレを完璧にできるとは限りません。
トイレの基本的な教え方
- トイレを決めた場所に設置する
- 犬が排泄しそうなタイミングを観察する
- トイレまで誘導する
- 正しく排泄できたらすぐに褒める
- 失敗しても叱らずに掃除する
重要なのは、失敗を叱るより、成功したときに褒めることです。
犬が排泄を失敗したからといって、大声で叱ったり、排泄物を犬に見せて叱ったりすることは避けましょう。
犬のしつけで大切なこと
犬のしつけは、「言うことを聞かせる」だけが目的ではありません。
人間と犬が安全かつ快適に暮らすためのルールを教えることが、しつけの大きな目的です。
初めて犬を飼う場合は、まず次のような基本から始めるとよいでしょう。
- 名前を覚えてもらう
- アイコンタクト
- 「おいで」
- 「待て」
- 「おすわり」
- 「ハウス」
- トイレ
- 噛んではいけないものを教える
- 人やほかの犬に慣れる
一度にすべてを教える必要はありません。
犬ができたことを褒めながら、少しずつ練習していきましょう。
犬を叱るときの注意点
犬がいたずらをしたとき、感情的に大声で叱ってしまうことがあります。
しかし、犬にとって「何を叱られているのか」がわからない状態で叱っても、望ましい行動につながらないことがあります。
例えば、家具を噛んでいるなら、家具を噛めない環境を作り、代わりに噛んでもよいおもちゃを用意するなど、問題行動が起こりにくい環境を作ることが重要です。
犬のしつけでは「してはいけないこと」だけでなく、「どうすればいいのか」を教えることを意識しましょう。
犬の散歩は毎日の大切な習慣
散歩は運動だけが目的ではありません。
外の匂いや音、さまざまな環境に触れることは、犬にとって刺激や気分転換にもなります。
ただし、必要な運動量は犬種や年齢、体格、健康状態によって大きく異なります。
大型犬だから必ず長時間散歩が必要、小型犬だから散歩は少なくていい、と単純に考えるのではなく、愛犬の状態に合わせて調整しましょう。
散歩の基本
散歩に行くときは、以下を意識します。
- 首輪やハーネスが適切なサイズか確認する
- リードを安全に装着する
- 排泄物を持ち帰る
- 他人やほかの犬に配慮する
- 暑い時間帯を避ける
- 犬の疲れ具合を確認する
- 水分補給を準備する
特に夏場は熱中症に注意が必要です。
気温だけでなく、地面の温度も確認して散歩時間を調整しましょう。
犬との遊び方
犬にとって遊びは、運動だけでなく飼い主とのコミュニケーションにもなります。
例えば、
- ボール遊び
- 引っ張りっこ
- おもちゃを探す遊び
- 知育玩具
- おやつ探し
などがあります。
ただし、遊びすぎて犬を疲れさせないよう注意してください。
犬が疲れている様子を見せたら、遊びを切り上げて休ませましょう。
犬の睡眠と休息
犬は人間より長い時間眠ることがあります。
特に子犬や高齢犬は、十分な休息が必要です。
犬が寝ているときは、必要以上に触ったり起こしたりせず、ゆっくり休める環境を作ってあげましょう。
「一緒に遊びたい」という気持ちがあっても、犬にとって休む時間も大切な生活の一部です。
犬のお手入れ
犬の健康を維持するためには、日常的なお手入れも欠かせません。
代表的なお手入れには、
- ブラッシング
- 歯磨き
- 爪のケア
- 耳の状態確認
- 目やにの確認
- 肉球の確認
- 被毛や皮膚の確認
などがあります。
必要なお手入れは犬種によって異なります。
例えば、毛が長い犬種では毛玉ができやすいため、こまめなブラッシングが必要になることがあります。
犬の歯磨きも習慣にしよう
犬の口の中の健康を守るためには、日常的なケアが重要です。
いきなり歯ブラシを口に入れると嫌がる犬もいるため、まずは口元を触られることに慣れてもらうところから始めましょう。
「口元を触る→歯に触れる→歯ブラシを見せる→短時間だけ磨く」というように、段階的に慣らしていくと取り組みやすくなります。
難しい場合は、動物病院で歯のケア方法を相談するのもおすすめです。
犬の健康管理
犬は人間と同じように、病気やケガをすることがあります。
普段から犬の状態を観察しておくと、変化に気づきやすくなります。
毎日確認したいポイント
- 食欲
- 水を飲む量
- 排便・排尿
- 元気があるか
- 歩き方
- 呼吸
- 嘔吐や下痢の有無
- 皮膚や被毛の状態
- 目や耳の状態
「いつもと違う」と感じたら、症状が続く場合や強い症状がある場合には動物病院へ相談しましょう。
ワクチン・予防を受ける
犬の健康管理では、予防も重要です。
犬を迎えたら、これまでに受けたワクチンや予防処置について確認し、今後のスケジュールを動物病院で相談しましょう。
また、日本では犬の登録と狂犬病予防注射が法律で定められています。
環境省によると、生後91日以上の犬は、飼い始めた日から30日以内に登録し、毎年1回の狂犬病予防注射を受けることが原則として義務付けられています。自治体やマイクロチップ登録制度の特例によって手続きが異なる場合があるため、居住地域の案内を確認してください。
犬の留守番
仕事や外出などで、犬に留守番をしてもらうこともあるでしょう。
ただし、犬を迎えてすぐに長時間の留守番をさせるのは避けたいところです。
まずは短時間から始め、犬が安心して一人で過ごせる環境を作っていきます。
留守番中は、
- 安全なスペースを確保する
- 水を用意する
- 誤食しそうなものを片付ける
- 室温を適切に保つ
- 必要に応じて見守りサービスを利用する
などの対策を行いましょう。
犬とのコミュニケーションを大切にする
犬を飼ううえで、最も大切なことの一つが日々のコミュニケーションです。
散歩や食事だけでなく、犬と遊んだり、優しく声をかけたり、犬の様子を観察したりする時間も大切です。
犬が何を嫌がるのか、何をすると喜ぶのかを少しずつ理解していきましょう。
犬との信頼関係は、毎日の小さな積み重ねによって作られていきます。
犬を飼うときにやってはいけないこと
初めて犬を飼うと、知らないうちに犬にとって負担になる行動をしてしまうことがあります。
特に注意したいのが次のような行動です。
叱ってばかりにする
失敗するたびに叱っていると、犬が飼い主を怖がるようになる可能性があります。
できたことを褒めることを基本にしましょう。
運動させすぎる
運動不足は問題になりますが、過度な運動も犬の体に負担となることがあります。
年齢や犬種、健康状態に合わせて調整しましょう。
人間の食事を何でも与える
人間の食べ物の中には犬にとって危険なものがあります。
安易に与えないようにしましょう。
犬を長時間放置する
犬は社会性のある動物です。
長時間の留守番が常態化する場合は、生活スタイルそのものを見直す必要があります。
犬の嫌がることを無理にする
抱っこ、ブラッシング、歯磨きなども、犬が嫌がっている場合は無理に進めないことが大切です。
少しずつ慣らしていきましょう。
犬を飼うときの1日の生活例
犬との生活を具体的にイメージするため、一般的な1日の流れを見てみましょう。
| 時間帯 | 例 |
| 朝 | 起床・トイレ・食事 |
| 朝 | 散歩・遊び |
| 日中 | 休憩・留守番 |
| 昼 | 必要に応じてトイレ・食事 |
| 夕方~夜 | 散歩・遊び |
| 夜 | 食事・トイレ |
| 就寝前 | トイレ・リラックス |
ただし、これはあくまで一例です。
犬の年齢や健康状態、生活環境によって適切なスケジュールは変わります。
特に子犬の場合は、成犬よりも食事やトイレの回数が多くなることがあります。
犬を飼うためにかかる費用
犬を飼うと、最初にかかる費用だけでなく、毎月・毎年継続して発生する費用があります。
代表的なのは、
- ドッグフード
- トイレ用品
- おやつ
- お手入れ用品
- ワクチン・予防
- 狂犬病予防注射
- 健康診断
- 病気・ケガの治療費
- ペット保険
- トリミング
- ペットホテル
- おもちゃ・用品
などです。
特に注意したいのが医療費です。
病気やケガをした場合、想定以上の費用が必要になることもあります。
犬を飼う前に、毎月の生活費だけでなく、急な医療費に備えた資金も考えておきましょう。
災害への備えも忘れない
犬との暮らしでは、地震や台風などの災害への備えも必要です。
環境省は、飼い主とペットが一緒に避難する「同行避難」を基本として、平時からペット用の防災用品や避難先などを準備しておくことを推奨しています。
犬用の防災用品としては、
- 水
- フード
- リード
- 首輪
- トイレ用品
- 常用している薬
- キャリー・クレート
- タオル
- 迷子札
- 飼い主と犬の情報がわかるもの
などを準備しておくと安心です。
普段からクレートに慣らしておくことも、災害時の負担軽減につながります。
初めて犬を飼う人が覚えておきたい7つの基本
ここまで紹介した内容をまとめると、犬の飼い方で特に重要なのは次の7つです。
1.安全な生活環境を作る
犬が誤食やケガをしないよう、家の中を整えます。
2.食事と水を適切に管理する
年齢や体格に合った食事を与え、いつでも新鮮な水を飲めるようにします。
3.トイレや基本的なしつけを教える
失敗を責めるのではなく、成功を褒めながら少しずつ教えます。
4.散歩や遊びの時間を作る
犬の年齢や犬種、体調に合わせて運動量を調整します。
5.毎日の健康状態を観察する
「いつもと違う」という変化を見逃さないことが大切です。
6.家族全員でルールを統一する
人によって対応が違わないよう、犬との生活ルールを共有します。
7.最後まで責任を持つ
犬が病気になったり高齢になったりしても、最後まで世話をする覚悟を持ちましょう。
よくある質問
Q1.犬を飼うのが初めてでも大丈夫ですか?
もちろん、初めて犬を飼う人でも大丈夫です。
ただし、犬種によって性格や必要な運動量、被毛のお手入れなどが異なります。
犬を迎える前に、その犬種の特徴や必要な飼育環境を調べておきましょう。
Q2.犬は毎日散歩が必要ですか?
基本的には、犬にとって散歩は重要な生活習慣です。
ただし、必要な運動量は犬によって異なります。
年齢、犬種、健康状態などを考慮して適切な散歩量を決めましょう。
Q3.犬は何を食べさせればいいですか?
基本的には、犬の年齢や健康状態に適した総合栄養食を中心にします。
食事量や回数は犬によって異なるため、フードの表示や獣医師のアドバイスを参考にしてください。
Q4.犬のしつけはいつから始めればいいですか?
犬を迎えたその日から、生活の中で少しずつ始められます。
ただし、最初は新しい環境に慣れることを優先し、犬の様子を見ながら進めましょう。
Q5.犬が言うことを聞かないときはどうすればいいですか?
まずは、なぜその行動をしているのかを考えてみましょう。
運動不足、退屈、不安、環境へのストレスなど、さまざまな理由が考えられます。
問題行動だけを止めようとするのではなく、原因を考えて環境や接し方を見直すことが大切です。
まとめ|犬の飼い方は「毎日の積み重ね」が大切
初めて犬を飼うと、食事、トイレ、散歩、しつけ、健康管理など、覚えることがたくさんあります。
しかし、最初から完璧にできる必要はありません。
まずは、
「安全な環境を作る」
「毎日の食事とトイレを管理する」
「散歩や遊びでコミュニケーションを取る」
「犬の健康状態を観察する」
「できたことを褒める」
という基本を大切にしましょう。
犬との信頼関係は、特別なことをすることで一気に築けるものではありません。
毎日一緒に過ごし、犬の気持ちや変化を少しずつ理解していくことで、飼い主と犬の関係は深まっていきます。
これから犬を迎える方は、ぜひこの記事を基本ガイドとして活用しながら、愛犬との暮らしを一つずつ整えていってください。


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